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「不治の病〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

不治の病の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
に不道徳である。実際又偉大なる厭世《えんせい》主義者は渋面ばかり作ってはいない。不治の病を負ったレオパルディさえ、時には蒼《あお》ざめた薔薇《ばら》の花に寂しい....
Kの昇天」より 著者:梶井基次郎
たろうか、自殺だったろうか、自殺ならば、それが何に原因しているのだろう、あるいは不治の病をはかなんで死んだのではなかろうかと様さまに思い悩んでいられるようであり....
去年」より 著者:伊藤左千夫
行為が、常に僕を不断の悔恨と懊悩とに苦しめるのだ。もっとも僕の今の境遇はちょうど不治の病いにわずらっている人のごとくで、平生苦悩の絶ゆるときがないから、何か他に....
花物語」より 著者:寺田寅彦
は次第にわれとわが身を削るような、憂鬱な空想にふけるようになってしまった。自分が不治の病を得たのもこのころの事であった。 三 栗の花 三年の間下宿し....
時事雑感」より 著者:寺田寅彦
から多くの人の心に共通に感ぜられたからであろうと思われる。しかし一方ではまた彼が不治の病気を自覚して死に所を求めていたに過ぎないのだと言い、あるいは一種の気違い....
男女関係について」より 著者:大杉栄
彼女には、本当に安心して頼るべき親戚もなく友人もなく、そして彼女自身は、いわゆる不治の病を抱いて、手荒らな仕事の何一つできないからだでいるのだ。 それでもなお....
人面瘡物語」より 著者:田中貢太郎
、後から後からと元のとおりの形になって、どうしても除くことができない、しかたなく不治の病気を云いたてに、此処に隠れてもう二十余年になるが、これがために心身も疲れ....
不良少年とキリスト」より 著者:坂口安吾
ったく、陰にこもっている。してみれば、借金も同類項だろう。借金は陰鬱なる病気也。不治の病い也。これを退治せんとするも、人力の及ぶべからず。あゝ、悲し、悲し。 ....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
間が目をさましている時に行うことは、みんな行う可能性があるでしょうな」 「それは不治の病でしょうか」 「精神病というものは、たいがい不治のようですね。フーテン院....
フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
私を世話し、めんどうをみてくれたが、私の苦悩が何から来ているのかがわからず、この不治の病を医そうとして誤まった方法を考えた。父に私に、人との交際に楽しみを求めさ....
安死術」より 著者:小酒井不木
スタス大帝も、「ユータネシア、ユータネシア」と叫んだそうですが、もしお互に自分が不治の病にかかって、臨終にはげしい苦痛が来たとしたら、恐らくその苦痛を逃れるため....
漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
として進んで行く考であったことは間違いない。大学を中途で退学して新聞社に這入って不治の病気になって居た子規居士と、真直に大学を出て中学校の先生としていそしみつつ....
妖怪学」より 著者:井上円了
精神作用のこれに加わるに従い、ますますそのもとに復する自然の性を妨害して、ついに不治の病に陥らしむるは必然の勢いなり。しかして医家の療法は、全く精神作用よりきた....
ヒルベルト訪問記」より 著者:高木貞治
の薬だけでは効験不確だから,毎日生肝を四半斤ずつ食っておられるそうです.それでも不治の病だから,若しもこの療法を中止するならば,生命は週を以って数うべきだという....
春泥」より 著者:久保田万太郎
御園だのというたてものと一しょにしばらく芝居をしたが、そのうち柳田は死に、藤川は不治の病にかゝって舞台を去り、御園は間もなく生れ故郷の大阪へ帰って行った。そうし....