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不況
「不況〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不況の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「家霊」より 著者:岡本かの子
合わない。 老人は娘のいる窓や店の者に向って、始めのうちは頻《しき》りに世間の
不況、自分の職業の彫金の需要されないことなどを鹿爪《しかつめ》らしく述べ、従って....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
人心に入る事の如何に深く且つ大きいかは到底想像も及ばない位であろう。 もしこの
不況険悪の時勢に於て無用|不廉の事を起し一時の名聞を求むるものとして一笑に附する....
「帝銀事件を論ず」より 著者:坂口安吾
しろ驚くほど少い犯罪数だと私は思う。 盗人や殺人強盗というものは、私の青年期の
不況時代にも、ずいぶん多かった。
不況時代となり、職を失い、窮すれば、平和な時代で....
「狂人日記」より 著者:井上紅梅
ているが、このことはどうしてもわたしの腑に落ちない。 四五日前に狼村の小作人が
不況を告げに来た。彼はわたしの大アニキと話をしていた。村に一人の大悪人があって寄....
「文化祭」より 著者:坂口安吾
お金をとって見せる。そして、もうけなさい。文化祭はもうかるものですよ」 「興行は
不況だそうじゃありませんか。本職がもうからないのに、素人がもうかるはずはないでし....
「巴里の唄うたい」より 著者:岡本かの子
フランスへは億に次ぐ億の金塊がぐんぐん流れ込んでいた。 だが、やがてこの国にも
不況が来た。冬を感ずるのは一番先に小鳥であるように、巴里の不景気を感じたのはまず....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
Y氏ならびに雑誌合せて、奇抜、ユニックな存在だったかも知れない。 そのうち出版
不況の時世となって、Y氏の雑誌も立ちゆかなくなり、旧知の作家O氏の救援を乞うたと....
「宝塚生い立ちの記」より 著者:小林一三
冬の年四回と定めて、相次いで新作歌劇を上演することとなったが、不幸にして経済界の
不況に影響されて、公演毎に観客数は予定の半ばにも達せず、つづいて数年間の苦悩時代....
「豆腐買い」より 著者:岡本かの子
されて来た。ロンドンの六片均一店で売って居る鍋膏薬は厚くて重たい程だった。世界的
不況時代にせめてロンドンでの鉄の贅沢だった。それを器用に薄く、今流れて来た日本の....
「バットクラス」より 著者:岡本かの子
その他の一切に関しては御交渉を絶ち度いという申出でだ。 もっと既にこの時世界の
不況は大英の財界にも押し寄せて来て、彼の顧問会社の脈搏不整はこの偉れた財政家に騎....
「飢餓地帯を歩く」より 著者:下村千秋
十銭の入場料で、この学校の生徒もその切符を買うようすすめられましたが、何しろこの
不況と凶作とで、百姓達は一銭の金も持っていません。ですから、四百人近くの生徒の中....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
。おそらく他の観客も同感であったろう。 大劇場は歌舞伎座をはじめ、皆そのような
不況に陥り、歌舞伎座のごときは創立十五周年という名のもとに、十一月、特に値安興行....
「越年」より 著者:岡本かの子
らなあ」 「そうだ、ここのように純粋の軍需品会社でもなく、平和になればまた早速に
不況になる惧れのあるような会社は見込みがないって言ってたよ」 山岸は辺りへ聞え....
「金山揷話」より 著者:大鹿卓
れをそれぞれの行路へと追い立てて来た。私達の卒業は同時にまた、欧洲大戦後の鉱業界
不況の真只中へ放り出された事だった。ながい
不況時代のあとに来た満洲事変は、私達仲....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
的であるはずです。しかし、近頃の田舎の生活ぶりを見聞すると、却って都会より不安、
不況、餓死せんばかりの地方がかなり沢山あるようです。これは何によってそうなったの....