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「不浄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

不浄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
道祖問答」より 著者:芥川竜之介
にん》の肌に触れられての御誦経《ごずきょう》でござれば、諸々《もろもろ》の仏神も不浄を忌《い》んで、このあたりへは現《げん》ぜられぬげに見え申した。されば、翁も....
振動魔」より 著者:海野十三
隅へまで行ったが、やがてそのまま柿丘の方へ帰ってきた。 「ねえ、このお部屋に、御不浄はないのですか?」 夫人は顔をすこしばかり顰め、片手を曲げて下ッ腹をグッと....
柿色の紙風船」より 著者:海野十三
を見た。 「あーら、本当だ。居ないわネ」 「ど、どこへ行ったんでしょうネ」 「ご不浄へ行ったんじゃないこと」 「ああ、ご不浄へネ。そうかしら……でも変ね。この方....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
の者へ形見として贈る。茶わんのみは自分でとっておく。「不幸の人のくちびるによって不浄になった器は決して再び人間には使用させない。」と言ってかれはこれをなげうって....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
・(二)・(五)の質問を忘れたのかい。それに、あのリシュリュウみたいな実権者は、不浄役人どもに黒死館の心臓を窺わせまいとしている。だからさ、あの男が鎮静注射から....
棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
っと待ってと云いながら、ビールを売る店のお内儀にコソコソ耳うちしてそのうしろの御不浄に出かけた。 やがて二人は、小暗い道を、ソロソロ元来た方に引返していった。....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
間を借りて差置いた、荷物を今解き始めたが、深更のこの挙動は、木曾街道の盗賊めく。不浄よけの金襴の切にくるんだ、たけ三寸ばかり、黒塗の小さな御厨子を捧げ出して、袈....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
て、あなたの愛人がどんな憐れな姿をしているかをご覧なさい。さすれば、あの虫ばんだ不浄の死体――土になるばかりになっている死体のために、あなたの魂を失うようなこと....
貞操問答」より 著者:菊池寛
新子は、美和子を起してやろうと思ったが、止してしまった。 昨夜、お店で前川がご不浄に立ったとき、(明日二時、ちょっと来ます)と、行きずりに囁いたので、早く店へ....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
、まだ小屋の中、)と言う習慣のあるくらい、黒島の赤神は赤神様と申して荒神で、厳く不浄を嫌わるる。社まわりでは産小屋を別に立てて、引籠る。それまではなくても、浦浜....
註文帳」より 著者:泉鏡花
研がねえからね、仕事と謂や、内じゃあ商売人のものばかりというもんだに因って、一番不浄|除の別火にして、お若さんのを研ごうと思って。 うっかりしていたが、一挺来....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
い、と彼はいう――ときに三十四歳だった――そして彼は「その若さを放埓と、色欲と、不浄に投げ与えました」 かつて「傲慢と虚栄と、世俗の快楽に思い上がった私でもあり....
西航日録」より 著者:井上円了
りては、いちいち列挙し難し。恒河の濁水をもって最上神聖なるものとし、いかなる不潔不浄もひとたびこの水にて洗い去れば、たちまち清め得たりとなす。また、いたるところ....
美人鷹匠」より 著者:大倉燁子
やさんは達也様を小さい寝台の上にねかしつけ、ツト、起って廊下へ出ました、たぶんご不浄へでも行ったのでしょう。 その隙に、素早く、花は抱いていた松吉と達也様をす....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
穢者の登山をまでも禁じておった。また高野山では、今でも山内諸院の門に、往々「汚穢不浄の輩入るべからず」という禁止の制札をさえ見る程である。比叡山では、昔は山の登....