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不測
「不測〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不測の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「根岸お行の松 因果塚の由来」より 著者:三遊亭円朝
しますので、晋齋も不審には思いますが、自分に遇《あ》って詫を為《し》ようと申すは
不測《ふしぎ》な理由《わけ》、ことに子供まで出来十八九ともなっているとは解らぬ事....
「幻談」より 著者:幸田露伴
たけれども、さてあるべきではありませぬから、自分たちも今度は滑って死ぬばかりか、
不測の運命に臨んでいる身と思いながら段※|下《お》りてまいりまして、そうして漸《....
「奈々子」より 著者:伊藤左千夫
声は永遠に父の耳を離れてしまった。 この日の薄暮《はくぼ》ごろに奈々子の身には
不測《ふそく》の禍《わざわい》があった。そうして父は奈々子がこの世を去る数時間以....
「猫と色の嗜好」より 著者:石田孫太郎
首に派手な首環を結び且つ鈴を着け置くなれば、何れに居るかを知ることが出来るから、
不測の危害を与うるようなことはないものである、尤も猫の目は能く暗夜に光るものであ....
「国際殺人団の崩壊」より 著者:海野十三
。御承知でもありましょうが、近来どうしたものか、われわれ科学者仲間におきまして、
不測の災害に斃れるものが少くない、いや、寧ろ甚だ多いと申す方がよろしいようであり....
「鳥羽伏見の戦」より 著者:菊池寛
に告げたので、具視大いに決する所あり、土越二藩|尚前説を固執するならば、いかなる
不測の変あらんも測られざるに至ったので、浅野|茂勲その間に周旋して遂に容堂、春嶽....
「運命」より 著者:幸田露伴
廃りて、不振の形勢|新に見われんとす。将卒を強いて戦わしめんとすれば人心の乖離、
不測の変を生ずる無きを保せず。諸将争って左するを見て王の怒るも亦宜なりというべし....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
かすとあっては諸大名の困窮、万民の怨嗟はまことに一方ならないことで、この上どんな
不測な変が生じないとも計りがたいというにある。軽々しく事を挙げるのは慎まねばなら....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
雪空の様に曇りつゝ日は早や暮るに間もなくなった。何処かに鴉が鳴く。余はさながら
不測の運命に魘われて悄然として農夫の顔其まゝに言わぬ哀愁に満ちた自然の面影にやる....
「地球要塞」より 著者:海野十三
じっと直立《ちょくりつ》したまま、うわごとのように観戦光景を喋った。 「すると、
不測《ふそく》の戦闘が起ったというわけですね」 「そうじゃ。これが、開戦のきっか....
「鵞鳥」より 著者:幸田露伴
の叫びを知ろうようは無かった。 しかし、天恩|洪大で、かえって芸術の奥には幽眇
不測なものがあることをご諒知下された。正直な若崎はその後しばしば大なるご用命を蒙....
「関牧塲創業記事」より 著者:関寛
を謀らざるべからず。 然るに人生の複雑なる、安危交錯して、吾人の家庭と社会とに屡
不測の惨禍を起して其調和を失うことを免れず。思うに人生の惨禍は、彼の厄難屡来りて....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
い。 物の伝播にはそんな不思議な機運がある。いわんや文化の伝播にはもっと自在で
不測な交流が行われていたはずだといっても好いのではあるまいか。 鶴見はこの頃鴎....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
たい周期というものがあって、中には夜逃げだとか、環境が気に入らないことからという
不測の事故もあるかも知れんが、北斎のように百回ちかい引越しはひどすぎるようだ。だ....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
無謀浅慮ではなかったが、ただ短兵急に功を急いで一時に根こそぎ老木を伐採したために
不測の洪水を汎濫し、八方からの非難攻撃に包囲されて竟にアタラ九仭の功を一簣に欠く....