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不満
「不満〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不満の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「羅生門の後に」より 著者:芥川竜之介
も、発表する機関もなかった自分は、作家と読者と批評家とを一身に兼ねて、それで格別
不満にも思わなかった。尤《もっと》も、途中で三代目の「新思潮」の同人になって、短....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
はしないらしかった。いや、実際甲野にも気の毒に思っているらしかった。甲野はそこに
不満を持ったばかりか、今更のように人の善いお鈴を軽蔑せずにはいられなかった。が、....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
琴には、彼の謙辞をそのまま語《ことば》通り受け取られたということが、まず何よりも
不満である。その上平吉の遠慮するような調子がいよいよまた気に入らない。そこで彼は....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
う。ある日大殿様の双六《すごろく》の御相手をなすっていらっしゃる時に、ふとその御
不満を御洩しになりました。すると大殿様はいつものように鷹揚《おうよう》に御笑いに....
「年末の一日」より 著者:芥川竜之介
号の仕事中、書斎に寝床をとらせていた。三軒の雑誌社に約束した仕事は三篇とも僕には
不満足だった。しかし兎《と》に角《かく》最後の仕事はきょうの夜明け前に片づいてい....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
ならずにいるらしい。そう思うと、多少不快な気がしたが、自分の同情の徹しないと云う
不満の方が、それよりも大きいので、今度は話題を、今年の秋の蝗災《こうさい》へ持っ....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
ました。が、それでもまだ眉《まゆ》の間には、いくぶんか私の賞讃《しょうさん》に、
不満らしい気色《けしき》が見えたものです。
そこへちょうど来合せたのは、私に秋....
「手紙」より 著者:芥川竜之介
主義者です。従ってこう云う山の中に満足している訣《わけ》はありません。しかしその
不満の中に満足を感じているのです。少くともかれこれ一月《ひとつき》だけの満足を感....
「或る女」より 著者:有島武郎
見せつけられたような不快を感ぜずにはいられなかった。夕食を済ますと葉子はいつでも
不満と失望とでいらいらしながら夜を迎えねばならなかった。木部の葉子に対する愛着が....
「或る女」より 著者:有島武郎
ひしと襲われて、――それはその時見た夢がそんな暗示になったのか、それとも感覚的な
不満が目をさましたのかわからなかった――葉子は暗闇《くらやみ》の中に目を開いた。....
「親子」より 著者:有島武郎
ているらしくも見えないその苦々しさで、父は老年にともすると付きまつわるはかなさと
不満とに悩んでいるのだ。そして何事もずばずばとは言い切らないで、じっとひとりで胸....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
って行った。 長い廻り道。 その長い廻り道を短くするには、自分の生活に対する
不満を本当に感ずる外にはない。生老病死の諸苦、性格の欠陥、あらゆる失敗、それを十....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
げた。そして静かに身の来し方を返り見た。 幼い時からクララにはいい現わし得ない
不満足が心の底にあった。いらいらした気分はよく髪の結い方、衣服の着せ方に小言をい....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
一の日の御子から又なきものに愛しまれる……。』そう思う時に、姫の心からは一|切の
不満、一|切の苦労が煙のように消えて了うのでした。当時の習慣でございますから、む....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
き、ほろほろ鳥は、その鳴き声にぷりぷりして、不機嫌な女房連のように気むずかしげに
不満の叫びをあげていた。納屋の入口の前では、勇ましい雄鶏が気取って歩き、あっぱれ....