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不潔
「不潔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不潔の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「将軍」より 著者:芥川竜之介
。」
通訳が腹巻を受けとる時、その白木綿《しろもめん》に体温のあるのが、何だか
不潔に感じられた。腹巻の中には三寸ばかりの、太い針がはいっていた。旅団参謀は窓明....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
対しては大恩人だ。妻の両親も健康で長命だ。僕の両親も健康で長命だった。夫婦ともに
不潔病などは親の代からおぼえがない。健全|無垢な社会の後継者を八人も育てつつある....
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
どうしても開かなかったし、また窓という窓には厳重な鉄格子が嵌っていた。そしてこの
不潔な小室には、少年が二人まで同室しているのだった。 母親お鳥が今まで一度も僕....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
たものだと思っているのである。変態道に陥ったばかりに、妾は正しい勤めをさえ極端に
不潔に思うのだった。 「しかし本当は、君自身子供が欲しいと思うのだネ」 と暫く....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
た反対にあった。ヘンリー・セイヴィル(一六七八)のような異端者は、茶を飲むことを
不潔な習慣として口をきわめて非難した。ジョウナス・ハンウェイは言った。(茶の説・....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
ではない。ただ、ひと口に苦力といえば、最も下等な人間で、横着で、狡猾で、吝嗇で、
不潔で、ほとんど始末の付かない者のように認められているらしいが、必ずしもそんな人....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
汽船ゼリア号に訣別《けつべつ》をし、風のように海の上をとび越えて、海岸へ下りた。
不潔きわまる場所だった。見すぼらしい人たちが、蝿《はえ》の群のように倉庫の日なた....
「共軛回転弾」より 著者:海野十三
だが、初めのうちはどっちもそれと気がつかない。それというのがチャーチルの特使は、
不潔なモルフィネ中毒患者を装って、よろよろ歩いていたし、一方ルーズベルトの特使の....
「転機」より 著者:伊藤野枝
れてある。土間の大部分は大きな機で占められている。家の中は狭く、薄暗く、いかにも
不潔で貧しかった。けれどもその狭い畳の上には、他のものとは全くふつりあいな、新し....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
観れば、かの堕落せる酔漢の類こそ、不良霊媒以上の精神異常者である。彼等が出入する
不潔な場所こそは、字義通りの魔窟であって、そこには最劣最悪の不良霊連が、彼等酔漢....
「蜜柑」より 著者:芥川竜之介
かり握られていた。私はこの小娘の下品な顔だちを好まなかった。それから彼女の服装が
不潔なのもやはり不快だった。最後にその二等と三等との区別さえも弁えない愚鈍な心が....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
小説を書いて得意になって相方の女に読んで聞かせたり、また或る大家が吉原は何となく
不潔なような気がするといいつつも折々それとなく誘いの謎を掛けたり、また或る有名な....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
、君子貧を楽しむも、貧に安んずるもの必ずしも君子ならず。 米人某曰く、日本人は
不潔にして、襯衣を洗濯することなしと聞く、果たしてしかるや。政教子曰く、襯衣を洗....
「西航日録」より 著者:井上円了
なる、神戸、横浜の比にあらず。東洋のニューヨークと称するも可ならん。されど城内の
不潔にいたりては、実に言語道断なり。余、先年ここに遊び、彼我両国を比較して、「シ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
は紋様をなし、遠見はなはだ美なるがごときも、近く接見すれば決して美ならず。室内は
不潔の家多く、路上には敝衣を着たる貧民多く、ロンドン東部の窮民窟を見るがごとし。....