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不熟
「不熟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不熟の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
にあっては、酸味は甘味と渋味との中間にあるのである。また渋味は、自然界にあっては
不熟の味である場合が多いが、精神界にあってはしばしば円熟した趣味である。広義の擬....
「二百十日」より 著者:夏目漱石
ないか。君のも生か」と圭さんは下女を捨てて、碌さんに向ってくる。 「半熟を命じて
不熟を得たりか。僕のを一つ割って見よう。――おやこれは駄目だ……」 「うで玉子か....
「魔法修行者」より 著者:幸田露伴
、禽を獲て本より楽しく、獲ずしてまた楽しいのである。そこで事相の成不成、機縁の熟
不熟は別として一切が成熟するのである。政元の魔法は成就したか否か知らず、永い月日....
「工場細胞」より 著者:小林多喜二
ヴェイヤーが完備してから、「運搬工」や「下働人夫」が特に目立って減った。熟練工、
不熟練工との人数の賃銀が眼に見えない位ずつ低下していた。――工場長は、女を使うと....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
労働力がうようよしていて夫が頭痛の種でさえある処に、特殊な女性向き労働を除いて、
不熟練な婦人労働力など何の必要があろう。従って家庭労働を社会化し主婦や娘達を生産....
「読書法」より 著者:戸坂潤
、によって、職工の熟練に俟つ部分を極度に小さくすることである。之によって如何なる
不熟練工も、容易に高度の加工工業や最高の精密工業に極めて短時間で熟達出来る。 ....
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
《いくら》母親《おっか》さんの機に入ッたからッて肝腎のお前さんの機に入らなきゃア
不熟の基《もと》だ。しかしよくお話しだッた。実はネお前さんのお嫁の事に就《つい》....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
をなしている。年期奉公、監獄部屋、などもあるが、一等著しいのは主体の幼弱な或いは
不熟練な労働力に於てであり、従って代表的にこの条件によって制約されているのは、娼....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
と申します。反織の方は織賃銀何円に付いて何反織ると云う約定で、凡て其の織る人の熟
不熟、又|勤惰によって定め置くものでござります。勉強次第で主人の方でも給金を増す....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いているから、直訳してみれば「五月花丸」というのが至当だけれども、日本語としては
不熟の嫌いがある。「五月雨丸《さみだれまる》」とでもすれば、ぴったりと日本語に納....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
の名手で、さまで私の体力を消耗することなしに、自由に通信を行うらしいのであった。
不熟練の霊に使われると、通信もまとまりが悪く、又私の疲労も非常に強烈であった。従....
「奥の海」より 著者:久生十蘭
たということである。 そういう夢のような日が、しばらくはつづいたが、西国の米の
不熟毛《ふじゅくもう》のせいもあって、金十郎の手許がおいおいに詰ってきた。詰った....
「歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
の喜びを感じた位である。寧、素朴な意味の芸術批評でも試みればよい。其感銘を、認識
不熟のままに分解した上に、学問の見てくれが伴うからいけないのだ。私は、此等の人々....
「運命のSOS」より 著者:牧逸馬
。救命艇さえ規定通りに充分積んでいたら――実にこのタイタニック号事件は、不注意と
不熟練に因る大惨劇、世界の航海史に残した拭うことの出来ない大きな汚点だと言われて....
「キド効果」より 著者:海野十三
どく出ている。見たところ曲線の形も僕のとは大分変っているじゃないか。これが熟練と
不熟練との相違じゃ」 「仰有る通りです」と丘助手は恐縮した。 「それからもう一つ....