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不用意
「不用意〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不用意の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
の大納言様《だいなごんさま》へ、御通いなすったではありませんか?」
わたしは御
不用意を責めるように、俊寛様の御顔を眺めました、ほんとうに当時の御主人は、北《き....
「或る女」より 著者:有島武郎
った膝《ひざ》の関節はしいて曲げようとすると、筋を絶《た》つほどの痛みを覚えた。
不用意に歩き出そうとした葉子は、思わずのめり出さした上体をからく後ろにささえて、....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
波送受信機を取出して組立始めた。ドレゴはぎょッとした。そうだ、自分は非常に大きい
不用意をやってのけたのであった。新聞記者でありながら、この山頂からの通信をどうす....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
談してみましょう。きっとうまくやりますよ。ね、ハナ子さん……でしたかネ」 僕が
不用意に放った失言が、女にとって時の氏神のユーモアであったのだろうか、彼女は泣く....
「麻雀殺人事件」より 著者:海野十三
た。 星尾は別に大したことはなかったようだ。言いわすれたのは、電車の中で自分が
不用意にも下に落した脱脂綿を遽てて拾いあげるところを園部にみられた位のことだと言....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
、別府九州造。繰り返して読みます、エエと――」 素六は、窓際に立っていたので、
不用意に開け放たれた窓から、帝都の空を眺めることが出来た。その真暗な空には、今も....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
、何か見えるかと思って窓から闇を透かしたが、何も見えない。いや見えた、灯が一つ。
不用意の灯、試験所の宿直がそうなら呑気すぎる。 電車は五反田駅前でぴたりと停る....
「金属人間」より 著者:海野十三
四号がほしい。この上の部屋にはあったんだが、この部屋にはないらしい」 博士は、
不用意に歎《なげ》きのことばをもらした。そしてその後で、はっと気がついて、蜂矢を....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
だ、小林さん」 検事はそういって、家政婦の顔をじっと見詰めた。家政婦はこのとき
不用意に検事と視線を合わせたが、慌てて目を下に伏せた。 「例の娘が、昨夜この邸へ....
「地球要塞」より 著者:海野十三
た。彼は人間ではなさそうだと思っていたが、今彼は、わざとそういったのか、それとも
不用意にいったかはしらないが、ともかく、 “人間じゃあるまいし……”と放言して、....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
川上機関大尉の眼がきらりと光った。 二十インチの主砲! リット少将がつい
不用意の言葉をもらしたのだ。杉田は英語がわからないし、硝子屋は中国人で、大したこ....
「出奔」より 著者:伊藤野枝
と半分以上も使ってしまった。しかもそういう予期を持ちながらいよいよ出てくるときは
不用意に、フラフラと出てしまった。着更えの着物を持たず金を用意するひまもなくつい....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
にかくれるのが、なごり惜いほど、道は次第に寂しい。 宿に外套を預けて来たのが、
不用意だったと思うばかり、小県は、幾度も襟を引合わせ、引合わせしたそうである。 ....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
所で、しかも薄暗い処でなければ産しない、それだけ目に着きやすからぬ不思議な草を、
不用意にして採集して来たことに思い及ぶと同時に、名は知るまいといって誇ったのを、....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
り金を以て終るが、二葉亭の金儲けは何時でも人道または国家の背景を背負っているのが
不用意の座談の中にも現われていたから、実業界に飛込むマジメな志はあっても対手にな....