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「不甲斐ない〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

不甲斐ないの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
母子叙情」より 著者:岡本かの子
に対する影響を見ているうちに微かな怒りさえこみ上げて来た。もしこの上、この母親に不甲斐ない様子を見続けるなら、 「ぐずぐずしているなら、あなたのあんないいむす子....
山本有三氏の境地」より 著者:宮本百合子
ない例ではない。 「女の一生」で最も重大な允子の「第二の出産」も、子にばかり頼る不甲斐ない母であるまいとする日暮しの運びかたが強調されていて、「母親というものは....
一九三四年度におけるブルジョア文学の動向」より 著者:宮本百合子
一のリベラリズムは、手をこまねいて情勢に圧されているインテリゲンチア作家の態度を不甲斐ないものとし、ニヒリズムでも、厭世論でも、そう信じるなら、そう叫べというの....
世代の価値」より 著者:宮本百合子
てそれに追随して来た態度に注目しているのは、まことに興味あるところと思う。それを不甲斐ないとしているのも、至極もっともなことである。だけれども、残念なことに筆者....
胚胎」より 著者:宮本百合子
ままに震える声で、 母《はは》様、御免 と云うと同じほどのわけのわからぬ不甲斐ない事じゃ。 まま親が育てた子の不甲斐ないのは同情もいたさりょうが、王の....
古井戸」より 著者:豊島与志雄
が、くっきりと浮出していて消えなかった。 それでも彼は、家の人達を呼び起すのも不甲斐ないと、不気味なのをじっと我慢して、とうとうその夜を明かしてしまった。 ....
」より 著者:織田作之助
るんやったら知らせたらどないや」 待っていましたとばかり、母親に手紙を書いた。不甲斐ない人間と笑ってください。どうせ今まで何一つ立派なこともしてこなかった体、....
魔都」より 著者:久生十蘭
向に手応えがない。さすがの加十も持てあまし、アングリと口を開いて睡りこけている、不甲斐ない王様の顔を忌々しそうに眺めていると、その時、どこからともなく異様な声が....
墓地展望亭」より 著者:久生十蘭
ぐれに弄ばれたのだと頭からきめ込んでしまった。それならそれで諦めでもすることか、不甲斐ない恋情で身をやつらせ、未練がましく悶えたり恨んだりしていた。 (あたしは....
日記」より 著者:宮本百合子
ら、いざとなったら自分は矢張り林町へなり何なりたよらなければならないのかと思うと不甲斐ない頼りない気がした。自分の小説で良人を養って行くことは出来ないのだろうか....
なよたけ」より 著者:加藤道夫
うござります。 綾麻呂 いや何も別にお前には見せないと云うわけではない。ただあの不甲斐ない息子が一時も早く迷いの夢から覚めてくれれば、と思っているのだ。あの崇厳....
」より 著者:犬田卯
を切り廻していて、作男達と共に百姓でもしない限り、全く居候的存在にすぎない自分を不甲斐ないものに思い、服役中過ごした南満の地に再び舞い戻って、満鉄の業務員、大連....
河豚食わぬ非常識」より 著者:北大路魯山人
なって、それがためにかえって目前の体験実際が物語る安全を信じられないということは不甲斐ないばかりか、非常識でもあり、あまりにも迂遠なこととして恥ずかしい。飛行機....
春心」より 著者:田中貢太郎
巳の気もちは混沌としていた。広巳は節操のない嫂に対する憤りから、その嫂にまかれて不甲斐ない兄を憤る一方で、人とも神とも判らない女に心を惹かれているところであった....
」より 著者:織田作之助
に知らせたら如何や。待っていましたとばかり雇主の言葉を口実にお君に手紙を書いた。不甲斐ない人間と笑って下さい。どうせ今まで何一つ立派な事もして来なかった体、死ん....