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不発
「不発〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不発の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
通りのすぐ左側に於いて千軒ばかり焼けた。 ◯大橋の、こっちから行くと左側の堤防に
不発弾がおち、電車は大橋→渋谷間が五、六日止まり、その間歩かせられた。 最後に....
「蜘蛛」より 著者:甲賀三郎
ヵ月にわたって、あらゆる殺人方法について研究してみた。が、どの方法も確実性と絶対
不発見性とを具有しているものはなかった。 ただ一つちょっと面白い方法だと思った....
「坑夫の子」より 著者:葉山嘉樹
た。 発破の後は、坑夫が一応見廻らねばならぬことになっていた。それは「腐る」(
不発)のがあると、危険だからであった。 その見廻りは小林がいつでも引き受けてい....
「火星探険」より 著者:海野十三
は、西の方へかなり傾斜して、十度まではないが八度か九度は傾いていた。まるで魚雷が
不発のまま突き刺さったような恰好である。そして小さい丸い窓が、点々としてあいてい....
「二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
、まだ残っているはずですが、後の方になって、眼の前へどーんと一つ落ちてきた奴が、
不発弾でしてね、トーチカの斜面を、ごろごろと転がりおちてきましたよ。それではっき....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
の一命を救った。そして籠だけを、沼の中になげこんだの、であるが、その花籠がついに
不発に終ったことは、みなさんも既に御存じのとおりである。二人が、沼のそばにうち重....
「時限爆弾奇譚」より 著者:海野十三
金博士警告の爆発予定日たる二十六日の朝になると、爆発論者は勿論のこと、昨日までの
不発論者たちすら、一せいに荷物をまとめて、エディ・ホテル附近からどんどん避難を開....
「怪塔王」より 著者:海野十三
弾が昼寝をしているわけでもありますまい」 爆撃機六機の落した爆弾は、ことごとく
不発におわりました。一体どうしたというのでしょう。 塩田大尉は、偵察機を急降下....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
方から釣られに来るんでございますから感心なものです」 「そりゃそうあるべきもの、
不発《ふはつ》の中《ちゅう》といって、釣りにもせよ、網にもせよ、好きの道に至ると....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
なしくやがて吹き出した風は東南風で却って団子坂辺の火の粉をけすに気をはりました、
不発が落ちました、この手紙のはじめに、雨戸の閉された家々と書いてある、それらの家....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
物が介在して、在来の通念をさえぎっているからである。 けれども、二大国の対立が
不発のままで続くことによって、その周辺の小国は、続々内乱化の危険があるようだ。 ....
「熊狩名人」より 著者:佐藤垢石
です。私は、熊の額へ銃口を押しつけるようにして、引金を引いた。ところが、不運にも
不発なのです。 私は二連銃は使いません。二連銃ならば続いて撃てたのでしょうが、....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
逸早く謝し去り花の時にはない)から発出しているのである。 ところが茶の花はその
不発育に原因して茶樹上単梗花になっているものが無数にあるが、しかし中にまじって花....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
は聞えませんかった。棚に積重ねてあった瀬戸物類は全部粉砕しましたが、幸いにそれは
不発でした。隣家の庭に落ちたのも
不発でした。実弾ならば、怪我位では済まなかったで....
「胎内」より 著者:三好十郎
き出している) 花岡 ち!……(その佐山をねらって、引きがねを引く。カチといって
不発) 村子 よして! よしてよッ! (その声と同時に、ダッ、ダッと続けて二発ピ....