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不相応
「不相応〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不相応の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
い。事務長ぐらいの給料で余財ができているとは考えられない。まして倉地のように身分
不相応な金づかいをしていた男にはなおの事だ。その点だけから見てもこの孤独は破られ....
「老妓抄」より 著者:岡本かの子
気がしきりに起った。彼は遊びに行っても外泊は一度もしなかった。彼は寝具だけは身分
不相応のものを作っていて、羽根蒲団など、自分で鳥屋から羽根を買って来て器用に拵《....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
る母親は何のことかわからぬ理由で、白浜温泉へ招待されたりした。女中のところへ身分
不相応の品物がデパートから届けられた。母親、女中と三人ぐらしの彼女の生活費は、最....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
を温めたので、すぐに港崎町の廓通いをはじめて、岩亀楼の小秀という女を相方に、身分
不相応の大尽風を吹かせていたが、所詮はボーイの身の上でそんな贅沢遊びが長くつづく....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
る。尚《なお》、同人所有のものと思われる鞄は、赤革のスーツケースにして、大きさに
不相応なる大型の金具及び把手《ハンドル》を備《そな》え居り、その蓋を開きみたるに....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
、そして月に七、八銭ずつの賞与金というのを貰っている人間の女房だ。何をしたって分
不相応ということがあるものか。 せっかく持って来たバイブルをあまりにすげなく突....
「帝展の美人画」より 著者:上村松園
だけで吃驚りさせられるばかりでした。 あれでないと近頃の大会場芸術とやらには、
不相応なのかも知れません、ああしないと、通りすがりの観衆の眼を惹かないのかも知れ....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
て京染めの素襖と小袖をくれた。近い頃には太刀をくれた。彼が指しほこらしている身分
不相応の兵庫鎖の太刀は即ちそれであった。 この意味からいって、彼が最も憎んでい....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
切って、短冊形の汚れた小蒲団を括りつけた枕が置かれてある。その後の柱には、この家
不相応な、大きな新しい時計が、午後三時を指している。床の間には、恐れ多くも、両陛....
「美味放談」より 著者:北大路魯山人
弁した。実は、そのギヤマンというのはなけなしの小遣いをためて、当時の身分としては
不相応の金を出して買ったんだから、このいいわけはインチキなんだけど、これで課長も....
「西航日録」より 著者:井上円了
、十五年前と今日とさらに異なるところなし。しかるにその国を大清国と称するは、名実
不相応といわざるべからず。自今、よろしく日本を大清国と名づけ、シナを大濁国と呼ぶ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
プラタ川はスペイン語にて銀河の義なり。しかして、その色黄赤にして泥のごとし。名実
不相応というべし。 平野青如迷。 (平野は青々として海のようにひろがり、ラプラタ....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
に思っている人があります。これは誤っています。むろん奢り贅沢はいけませんが、身分
不相応な切り縮め方をして、子供や使っている人を、営養不良色にして得意になっている....
「美人鷹匠」より 著者:大倉燁子
実子ではないが、大変可愛がって居りましたので、どうかしてなおしたいと思い、身分
不相応なえらいお医者様にも診て頂いたり、高価なお薬を買って飲ませたりしました、貧....
「旃陀羅考」より 著者:喜田貞吉
ることを明らかにし、畜身と云い、畜生の身と云い、またこれを濁水糞嚢にたとえ、色身
不相応の故に愚者の侮るもまた故ありなどと云って、自らその出身の極めて賤しき事を認....