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「不眠症〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

不眠症の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
わたしはすっかり疲れていた。肩や頸《くび》の凝《こ》るのは勿論、不眠症もかなり甚しかった。のみならず偶々《たまたま》眠ったと思うと、いろいろの夢....
片信」より 著者:有島武郎
遇っておもむろに眼を開くような悦《よろこ》ばしい気持ちでいることができる。僕は今不眠症にも犯されていず、特別に神経質にもなっていない。これだけは自分に満足ができ....
器楽的幻覚」より 著者:梶井基次郎
歩いて出ることにしていた銀座へは行かないで一人家へ歩いて帰った。私の予感していた不眠症が幾晩も私を苦しめたことは言うまでもない。....
のんきな患者」より 著者:梶井基次郎
うのだった。しかし寐られないということも吉田にとっては苦痛であった。吉田はいつか不眠症ということについて、それの原因は結局患者が眠ることを欲しないのだという学説....
雪後」より 著者:梶井基次郎
て寝ついた。彼女の母が呼ばれた。医者は腎臓の故障だと診《み》て帰った。 行一は不眠症になった。それが研究所での実験の一頓挫《いちとんざ》と同時に来た。まだ若く....
俊寛」より 著者:菊池寛
の中で、ただ溜息と愚痴とのうちに、一日一日を過していた。そのうちに三人とも激しい不眠症に襲われた。その中でも、神経質の康頼がいちばんひどかった。彼は、夜中眠られ....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
。ちょっとした低気圧にも疳を昂ぶらせて、夜もおろおろ寝られなかった。だいぶ前から不眠症にかかって催眠剤を摂らねば寝付きの悪くなっていた彼は、秋近の夜の眠のために....
芥川の事ども」より 著者:菊池寛
ろうと思う。 昨年の彼の病苦は、かなり彼の心身をさいなんだ。神経衰弱から来る、不眠症、破壊された胃腸、持病の痔などは、相互にからみ合って、彼の生活力を奪ったら....
黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
らざるものがあったが、この二三年来、それらのものが全く一変して終った。 猛烈な不眠症に陥ったのが原因らしいが、頬はゲッソリとこけて、頭ばかりが大きくなり、眼は....
谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
の根元へついた、そうして去年も登った槍ヶ岳を、しみじみと見上げたが、この何万年も不眠症でいる、原始の巨人は、鋼鉄のような固い頭を振り立てて、きょうもまた霧の垂幕....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
くの蚊よりもたった一匹の蚊、一匹の蚤が寝室を荒らすのを怖れる。彼らはまったく私を不眠症にしてしまう。多くの蚊、多数の蚤に対しては度胸がすわってしまうものである。....
歯車」より 著者:芥川竜之介
ぜ。この頃体は善いのかい?」 「不相変薬ばかり嚥んでいる始末だ」 「僕もこの頃は不眠症だがね」 「僕も?――どうして君は『僕も』と言うのだ?」 「だって君も不眠....
金銭無情」より 著者:坂口安吾
るもんでねえ、お前と一緒ぢや寝られないといふから、うちの人、文学者で神経質だから不眠症で悩んでゐたでせう、イビキのきこえないやうに物置でねてろなんてね、それやこ....
」より 著者:岡本かの子
だ眠くて堪らない小犬のように眼はつむったまま加奈子の笑い声をうるさがった。京子は不眠症にかかり十日も夜昼眠れない。すると、あとは嗜眠症患者のように眠り続ける。京....
消えた霊媒女」より 著者:大倉燁子
の光が大地に輝いている午後の一時二時頃になると、まるで真夜中の静けさです。しかし不眠症の勝田さんが、この明るい真昼に眠れる訳がありません。で、午後になると必ず私....