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不確定
「不確定〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不確定の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「野球時代」より 著者:寺田寅彦
によって無限に精確になりうると考えたに反して、新しい物理学者は到底越え難いある「
不確定」の限界を認容することになった。いわば昔はただ主観の
不確定性だけを認めて客....
「海流」より 著者:宮本百合子
五分五分だのに、賛成したり諍ったりしているように思えた。そういう騒々しい、そして
不確定に思える波立ちのどっかの底に、人間全体をひっぱって行く絶対な真理というもの....
「道標」より 著者:宮本百合子
こむということ。何かわからないけれども絶えずぼんやりした予感のそよぎのうちにある
不確定な自分の未来と銀のスプーン。その連関に、何かつよく錯誤しているものが感じら....
「自由画稿」より 著者:寺田寅彦
も三本でちゃんと役に立つ、のみならず四本にするとどれか一本は遊んでいて安定位置が
不確定になる恐れがあるというのは物理学初歩で教わることである。しかしその合理的な....
「婦人と文学」より 著者:宮本百合子
た。 殆どあらゆる作品に、何かの形で破恋を描いた一葉も、恋愛そのものについては
不確定な態度で、心の奥ではやはり昔ながらに恋はこわい執着、さけがたい人間の迷いと....
「科学論」より 著者:戸坂潤
ければならぬ。まず第一に操作から完全に独立な客観界に就いての物理学的実験は、例の
不確定性原理によって、不可能だという事が原則的に証明された。操作の用具である光の....
「技術の哲学」より 著者:戸坂潤
の条件が変って了うということは、実験の原則的な宿命なのであって、ハイゼンベルクの
不確定の原理がそれを云い表わしている。 第二の理由は、自然に就いては実験に必要....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
、夫が孤立した個々の事件なり事物なりを想定してかかっているという点にあった。処が
不確定性の原理によれば、物理学の世界では例えば個々の電子の個々の場合々々というよ....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
の状態を能動的に制約すると云うに過ぎない」というのである。之は当然なことであり、
不確定性原理から一種の主観論を惹き出す人達に対しては効果のある反駁だ。だが
不確定....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
然主義と思しきものに対立する偶然主義に帰着することになる。そこでハイゼンベルクの
不確定性の原則などが証人に引き出されたり何かするのである。 尤もリアリズムと之....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
で、マルクス主義では機械的な決定論などを考えてはいないのだから、ハイゼンベルクの
不確定性の原理も唯物論に対する何等の反証にならぬ。偶然論は偶然論として、唯物論反....
「無題(十三)」より 著者:宮本百合子
リゾナンテのある声のような眼つき ○くっきりとした存在。 存在そのものが
不確定のようなどっさりの男たち。ぐらぐらしていたり、ほかのものにとけこんでいて境....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
無秩序から来る普通の結果だった。この無秩序は、才能と善良な意志との大なる源泉を、
不確定と矛盾とによって空費さしてしまうのである。彼らの大音楽家は皆、ほとんど一人....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
。彼らはもうたがいに口をきかなかった。別々に離れていた。 しかし、長くそういう
不確定な状態のままであることはできなかった。行動の風が不決断な人々を、否でも応で....
「科学と文化」より 著者:中谷宇吉郎
ょっと始末が悪いのである。原子の世界での因果律の否定の問題とか、ハイゼンベルクの
不確定原理とかいうものを「基礎」として色々の議論をしてあるものは、物理を職業とし....