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不穏
「不穏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不穏の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
陰険な眼を眼鏡の奥にぎょろりと光らせながら、ねちねちとした口調で、「毛利君の案は
不穏当だと思う。毛利君は何か意味があってそんな提案をしたのか知らないが、そのため....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
き見たのは、あれは夢だったかしら。悪夢! 悪夢!) 弦三は、雷門の地下道に蟠る
不穏な群衆のことを、この須田町の秩序正しい青年団に対比して、悪夢を見たように感じ....
「銀座幽霊」より 著者:大阪圭吉
らも、そっと顔を見合せては、そこはかとない溜息をつく。ところが、そうした煙草屋の
不穏な空気は、バタバタと意外に早く押しつめられて、ここに、至極不可解きわまる奇怪....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
の提灯が人魂のように飛んで行くくらいである。 しかも其の時は二百十日前後の天候
不穏、風まじりの細雨の飛ぶ暗い夜であるから、午後七、八時を過ぎるとほとんど人通り....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
肩をつかまえていた奴が、熊のような唸り声を出して、僕の肩をこづき始めた。僕は形勢
不穏と見てとって眼鏡をはずしてポケットに入れた。すると、僕のすぐ前にいた奴が、狐....
「火星兵団」より 著者:海野十三
類が、火星人から、ひどい目にあうとすれば、ばかばかしいことだ。とにかく、そういう
不穏な人間が出た時は、政府はすぐ彼を、銃殺にしてしまうのがいいだろう。予のもっと....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
墨くろぐろと書きつけてあるではないか。 「ふーむ」と少将はうなった。 「とにかく
不穏な記号と認める。犯人を即刻捕らえろ。そやつの手には、きっとあの黒ペンキがつい....
「半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
に包まれて、この海岸は、これから先、小海、重寺、口野などとなりますと、御覧の通り
不穏な駿河湾が、山の根を奥へ奥へと深く入込んでおりますから、風波の恐怖といっては....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
合ったのもほんの束の間、やや一|里ばかりも陸を離れたと覚しき頃から、天候が俄かに
不穏の模様に変って了いました。西北の空からどっと吹き寄せる疾風、見る見る船はグル....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
所は甚だとぼしい。その結果、それに用いられる文字は、必然的に極めて不完全、極めて
不穏当である。精確に神を定義し得た文字は、世界の何所にも見出されない。 ここに....
「西瓜」より 著者:岡本綺堂
えながら、わたしは横田君らと共に、休憩所の前から自動車に乗込むと、天候はいよいよ
不穏になって、どうでも一度は暴れそうな空の色が、わたしの暗い心をおびやかした。....
「取舵」より 著者:泉鏡花
どもこの日の空合は不幸にして見謬られたりしにあらざるなきか。異状の天色はますます
不穏の徴を表せり。 一時魔鳥の翼と翔りし黒雲は全く凝結して、一髪を動かすべき風....
「御堀端三題」より 著者:岡本綺堂
。直ぐ傍には桜田門外の派出所もある。したがって、彼らは他の人々に対して、無作法や
不穏の言動を試みることはない。ここに休んでいる人々を相手に、いつも愉快に談笑して....
「明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
どめて置く。あまり繁瑣にわたることを避けたためである。(岡本綺堂) ○天下の形勢
不穏のため、猿若町の三座とも正月興行を休み、二月に至りて漸く開場。 ○五月十五日....
「魔性の女」より 著者:大倉燁子
離れて、二度と附き纏えないようにしてやる」 「と、仰しゃると? どうなさるの?」
不穏の空気に、桃子はおびえながら青くなって訊いた。 「うむ。その時は――、その時....