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不穏当
「不穏当〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不穏当の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「牛肉と馬鈴薯」より 著者:国木田独歩
えません、さりながらです、僕は岡本君の為めにその恋人の死を祝します、祝すというが
不穏当ならば喜びます、ひそかに喜びます、寧《むし》ろ喜びます、却《かえっ》て喜び....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
陰険な眼を眼鏡の奥にぎょろりと光らせながら、ねちねちとした口調で、「毛利君の案は
不穏当だと思う。毛利君は何か意味があってそんな提案をしたのか知らないが、そのため....
「ルクレチウスと科学」より 著者:寺田寅彦
ている。しかし、要するに、これは、彼の元子説特に元子に第二次的属性を付与する事が
不穏当であるという前提の延長であるが、しかしそれはまた今の物理学が当然の事として....
「日本楽器の名称」より 著者:寺田寅彦
の教えを受ける縁ともならば大幸である。 (お断わり。楽器の名のかな書きに直し方に
不穏当なのがあるかもしれない。どうかそのつもりで読んでもらいたい。) (昭和三年一月、大阪朝日新聞)....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
は当時に遡って追求されねばならぬ筈のものであり、今更非愛国的だなどと非難するのは
不穏当だろう。だがメートル法がまだ社会一般に消化されていないから、メートル法強制....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
福し給え! と。」 大桶の中にいた書記は我にもなく拍手喝采した。が、すぐにその
不穏当なことに気が附いて、火を突っついて、最後に残った有るか無いかの火種を永久に....
「颱風雑俎」より 著者:寺田寅彦
れている。 千年の間に二十回とか三十回といえばやはり稀有という形容詞を使っても
不穏当とは云えないし、目前にのみ気を使っている政治家や実業家達が忘れていても不思....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
所は甚だとぼしい。その結果、それに用いられる文字は、必然的に極めて不完全、極めて
不穏当である。精確に神を定義し得た文字は、世界の何所にも見出されない。 ここに....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
感をもたれていたのだが、ある日、クリストフ自身腰掛から転げ落ちた時、教師はかなり
不穏当な当て擦《こす》りをして、彼はきっとある名高い人物の範に習おうとしてるのだ....
「保久呂天皇」より 著者:坂口安吾
六太郎はアベコベに大目玉をくらって戻ってきた。しかし中平も部落の全員を疑ることが
不穏当だということぐらいは分っている。日がたつにつれて次第に容疑者が心のふるいに....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
めの顔とが……どっちみち偶然からで。……それにいたしましても、只今のお言葉、ちと
不穏当! 合点ゆきませぬ! ……誘拐者とは? 盗賊とは?」 と云い云い、頼母は....
「役人の頭」より 著者:末弘厳太郎
他人にとってきわめて交際しにくいからです。しかるに、役人が法律を盾にとって自己の
不穏当な行為をかばうようなことがあれば、それはすなわち彼によって代表された国家み....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
。その手前に「清瀬」という料理屋があってなかなか繁昌しました。その横町が、ちっと
不穏当なれど犬の糞横町……これも江戸名物の一つとも申すか……。 清瀬から手前に....
「火夫」より 著者:カフカフランツ
いるのかね?」 「私の証人たちです」と、シューバルは歩み出ながらいった。「彼らの
不穏当なふるまいはどうかお許しのほどを。水夫たちは航海を終えると、ときどき気ちが....
「俗臭」より 著者:織田作之助
を代筆させた。社会主義者やと言うたってくれと、伝三郎が念押すと、番頭はその言葉は
不穏当だといった。番頭はこの頃男女間の道に分別ついて、千恵造の駆落ちにひそかに同....