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「不肖〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

不肖の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
されません。そうしてそれがまた、荘介小文吾再会の機縁になるのでございますからな。不肖《ふしょう》じゃございますが、この近江屋平吉《おうみやへいきち》も、小間物屋....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
ほど嬉しい事はございません。」 「いや、予が前で神仏《しんぶつ》の名は申すまい。不肖《ふしょう》ながら、予は天上皇帝の神勅を蒙って、わが日の本に摩利《まり》の教....
道祖問答」より 著者:芥川竜之介
くび》にかけた水晶の念珠をまさぐりながら、鋭く翁の顔を一眄《いちべん》した。 「不肖ながら道命は、あらゆる経文論釈に眼《まなこ》を曝した。凡百《ぼんびゃく》の戒....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
そ》みに傚《なら》えば、わたしも亦一鑵六十銭の蟹の鑵詰めを自慢しなければならぬ。不肖行年六十一、まだ一度も芸術家のように莫迦莫迦《ばかばか》しい己惚《うぬぼ》れ....
忠義」より 著者:芥川竜之介
、別して、林右衛門めを贔屓《ひいき》にせられるようでござるが、手前家来の仕置は、不肖ながら手前一存で取計らい申す。如何に当時|出頭《しゅっとう》の若年寄でも、い....
地中魔」より 著者:海野十三
をとって左の耳にあてた。人の話声がする。 「では明日中にどうぞ」 「大丈夫です。不肖ながら大辻がこの大きい眼をガッと開くと、富士山の腹の中まで見通してしまいます....
近時政論考」より 著者:陸羯南
主張す、しかして日本人は史蹟において永く貴賤階級の風習に染みかつ事実においても賢不肖の差はなはだしきを知る。史蹟および現実においてはすでにかくのごとし。これ当時....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
存じます」 「そなたも父に肖らずばなるまい」 「努めてはおりますなれど……」 「不肖の子と云われるなよ」 「恐れ入ってございます」 「浮世の事、一切力だ! 力を....
善悪両面鼠小僧」より 著者:国枝史郎
意の一刀流をもって妖怪を追うこと出来ようかな?」 「は、そのことでござりますか。不肖なれども新十郎、剣をもって高禄をいただき居る身、いかなる妖怪か存じませぬが適....
剣侠」より 著者:国枝史郎
の弟子じゃ」 「申すまでもございません」 「直れ!」と多四郎は凄じく云った。 「不肖な弟子を手討ちにいたす!」 するとこの時まで多四郎の言葉を黙々として聞いて....
多神教」より 著者:泉鏡花
な事は知りません。 神職 これは、はや、恐れながら、御声、み言葉とも覚えませぬ。不肖|榛貞臣、徒らに身すぎ、口すぎ、世の活計に、神職は相勤めませぬ。刻苦勉励、学....
赤坂城の謀略」より 著者:国枝史郎
成は天王寺へ参詣し、大般若経転読の布施として献じ、髯の白い老いた長老に会い、正成不肖の身をもって、一大事思い立ちたる事由を審さに述べたるのち、虔ましく居ずまいを....
火夫」より 著者:カフカフランツ
した。じょうぶな男の児で、洗礼のときヤーコプという名をつけられました。疑いもなく不肖この私を頭においてのことであります。この私のことは、甥がきっとただまったくさ....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
う立派な志のある方を殺して、老先短き我々が災難を免れたとて何の役に立とうか。私も不肖ながら仏教を真実に信じて居る一人である。自分の災難を免るるために人に繩を掛け....
持ち味を生かす」より 著者:北大路魯山人
自由を求めんがために旗挙げせんとする者が輩出するならば、その挙を扶けんがために、不肖小生も一役買って、美食健康の演壇に絶叫するに吝かではない。 平凡なやからが....