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不自由
「不自由〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不自由の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
らいでございましょうが、何分二十年も以前の事で、十分とは参りませんまでも、暮しに
不自由はございませんでしたから、同僚の中でも私などは、どちらかと申すと羨望《せん....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
いまげ》の老女が一人、これは横顔を見せたまま、時々涙を拭っていました。
「いくら
不自由がないようでも、やはり苦労だけはあると見える。」――わたしはそう思いながら....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
にして、御召使の男女《なんにょ》が居りますばかり、それに御先代から御有福で、何御
不自由もございませんでしたから、自然御美しいのと、御闊達なのとに御任せなすって、....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
。これは第一に法律があり、第二に人民の道徳があり、わざわざ考えて見ないでも、格別
不自由はしなかったからである。)
じょあん孫七《まごしち》を始め三人の宗徒《し....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
いるのは一度も見かけなかったと言っていますから。
けれども半之丞は靴屋の払いに
不自由したばかりではありません。それから一月とたたないうちに今度はせっかくの腕時....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
あげて笑った。烏が鳴くような、鋭い、しわがれた声で笑ったのである。「私は、金には
不自由をしない人間でね、お望みなら、あなたのお暮し位はお助け申しても、よろしい。....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
を味わっている。いや、衣食住どころではない。一杯のシトロンの飲めぬ為にも少からぬ
不自由を忍んでいる。人間と云う二足の獣は何と云う情けない動物であろう。我我は文明....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
ながら、
「しかし居心《いごころ》は悪くない住居じゃ。寝所《ねどころ》もお前には
不自由はさせぬ。では一しょに来て見るが好《よ》い。」と、気軽に案内をして下さいま....
「運」より 著者:芥川竜之介
それから、どうにかやって行けるようになったのだろう。」
「どうにか所か、今では何
不自由ない身の上になって居ります。その綾や絹を売ったのを本《もと》に致しましてな....
「或る女」より 著者:有島武郎
な青年だろう。若い時に父親に死に別れてから、万事思いのままだった生活からいきなり
不自由な浮世のどん底にほうり出されながら、めげもせずにせっせと働いて、後ろ指をさ....
「或る女」より 著者:有島武郎
驚いているでしょう。しかしさすがに米国です。着のみ着のままでここまで来ても何一つ
不自由を感じません。鎌倉《かまくら》あたりまで行くのにも膝《ひざ》かけから旅カバ....
「星座」より 著者:有島武郎
何んでもないことだったろう。一人の妹、清逸がことに愛している一人の妹の身を長い間
不自由な境界において我慢しているのは、清逸だからできるのだと清逸は考えていた。し....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
は結局意志そのものの必然性をいうのではないか。意志の欲求を認めなければ、その自由
不自由の問題は起らない。意志の欲求を認め、その意志の欲求が必然的であるのを認め、....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
煙を立て燻っているような塩梅だったのでございます。 私が重い枕に就いて、起居も
不自由になったと聞いた時に、第一に馳せつけて、なにくれと介抱に手をつくしてくれま....
「燕と王子」より 著者:有島武郎
、 「そんなら王子様来年またお会い申しますから御無事でいらっしゃいまし。お目が御
不自由で私のいないために、なおさらの御
不自由でしょうが、来年はきっとたくさんのお....