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「不落〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

不落の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
しかし、さしもクリヴォフが築き上げた墻壁すらも、僕の破城槌にとれば、けっして難攻不落のものではないのだ」と背後にある大火図の黒煙を、赫っと焔のように染めている、....
大阪夏之陣」より 著者:菊池寛
年の星霜を費して、やっと媾和している。 しかし、秀吉がその愛児秀頼に、この難攻不落の名城を遺したことは、却って亡滅の因を遺したようなものである。有史以前の生物....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
々として天下の風雲をのぞみつつ、遙かに日之本六十余州を睥睨していたと伝えられる、不落難攻の青葉城は、その天守までがひと目でした。町もまたここから急に広く、繁華も....
野狐」より 著者:田中英光
ウッテ笑ッテイウ。マサニ謂エリ、胡鬚赤シト。更ニ赤鬚ノ胡アリト。 無門|曰ク、不落因果、ナンノ為ニ野狐ニ堕ツ。不昧因果、ナンノ為ニ野狐ヲ脱スル。モシ、者裏ニ向....
簔虫と蜘蛛」より 著者:寺田寅彦
底に朽ち残った戦衣のくずといったような気もした。 この恐ろしい敵は、簔虫の難攻不落と頼む外郭の壁上を忍び足ではい歩くに相違ない。そしてわずかな弱点を捜しあてて....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
くことから始めねばならぬ。認識と愛と共存者への連関とはそこに源を発するときにのみ不落の根基を持ち得るのである。社会共同態の観念もわれと汝と彼とをひとつの全体とし....
二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
のマイカ大要塞こそは、かねがね太青洋方面から侵入してくる虞のある敵国に対し、難攻不落の前衛根拠地として、建造されていたものであった。そこには、キンギン国の巨大な....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
大英帝国が莫大な費用と全科学力とをかたむけて造っただけの大飛行島である。 難攻不落の浮城だ。 「これは帝国海軍にとって実に由々しきことだ」 川上機関大尉は、....
学生と教養」より 著者:倉田百三
も、直接に発動せず、静かに、謙遜に、しかも勇猛に徹底して、その思想の統一をとげ、不落の根拠を築きあげようと企図するものであり、そこには抑制せられたる実行意志が黙....
現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
映画社も、大雑誌社も、かたく閉したこの門内へふみこむことができなかったという難攻不落のアカズの門。なんの面倒もなくサッとあいた。 白河半平がニヤリと笑った。当....
天草四郎の妖術」より 著者:国枝史郎
、宗徒軍の強さ加減は例えるに物の無い有様でした。然に不思議の事には、それほど難攻不落であった其原ノ城が翌年の正月他愛も無く陥落たではありませんか。それは次の様な....
ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
、もはや衆目のみるところ、ウナギのようにぬらりくらりするばかりで手に入らない難攻不落のソネートカも、とみに軟化の色を見せはじめた。 「ねえ、お前さんいつぞやあた....
ヒトラーの健全性」より 著者:国枝史郎
の変質的芸術家であったならば、漸進的戦術と、伝統を改良した新兵器とを用いて、難攻不落と称されたマジノ線を、ああも簡単に、ああも天才的に突破することは出来なかった....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
と五体に漲り弾ける思いがするのでした。 木下藤吉郎の昔から秀吉は、数知れぬ難攻不落の城々を攻めた経験の持主であります。しかし、どんな城砦でも秀吉が一目見るとき....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
ナムール要塞の約七十キロを通過せねばならず、この間にフイの止阻堡とベルギーの難攻不落と称するリエージュの要塞がある。リエージュは欧州大戦で比較的簡単に(それもこ....