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不覚
「不覚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不覚の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
御美しいのに致しましても、一旦の御歎きから御生涯を辺土に御送りなさいますのは、御
不覚と申し上げるよりほかはございますまい。
が、また飜《ひるがえ》って考えます....
「或る女」より 著者:有島武郎
、三日《みっか》ばかりは食う物も食わずに、浅ましくも男のために目のくらんだ自分の
不覚を泣き悔やんだ。木部が狂気のようになって、ようやく葉子の隠れ場所を見つけて会....
「星座」より 著者:有島武郎
渡瀬もそれを受けに手を延ばした。親指の股に仕事|疣《いぼ》のはいった巌丈な手が、
不覚にも心持ち戦《ふる》えるのを感じた。
「でもおぬいさんは星野さんに夢中なんで....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
ているらしいことを案じて彼の邸まで送って来たのである。そのときはもうドレゴは前後
不覚で、彼の体重は完全に水戸の身体に移っていた。時刻は午前二時に近かったろう。夏....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
そう思うと君はなんとも言えない骨肉の愛着にきびしく捕えられてしまった。君の目には
不覚にも熱い涙が浮かんで来た。君の父上はそれを見た。 「あなたが助かってよござん....
「振動魔」より 著者:海野十三
じて、堕胎手術を加えようか、などと考えたけれど夫人はいつも神経過敏で、容易に前後
不覚に陥らなかったので、手術を加えても、その途中の疼痛は、それと忽ち気がつくこと....
「省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
ルの涼風を縦貫させた人工冷却で、乗客の居眠りを誘った。どの電車もどの電車も、前後
不覚に寝そべった乗客がゴロゴロしていて、まるで病院電車が馳っているような有様だっ....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
がどんな素顔をしているか、それをたしかめればよかったのだ。だがそれをしなかった。
不覚のいたりだ。もっとも、そんなことをすれば、首領は一撃のもとに自分を毒針でさし....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
だ。僕はぷんぷん腹を立てながらも、さすがに寂しさを払い落とすことができなかった。
不覚 その夜の集合場所は、郊外Z九号の飛行場であった。シャルンスト会堂の前から....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
ていたが、疲労から睡魔の手へ、彼等はなにがなんだか分らないうちに横にたおれて前後
不覚に睡ってしまった。 次の日の暁が来たのも、もちろん二人は知らなかった。どっ....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
見えますな――但しどうやら、貴辺がその鮨を召ると、南蛮秘法の痺薬で、たちまち前後
不覚、といったような気がしてなりません。早く伺いたい。鮨はいかがで?」 その時....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
ている下級霊にとりて、正に誂向きの好餌である。一部の人間共は、飲酒の為めに、前後
不覚の昂奮状態に陥って居る。他の一部は一攫万金を夢みて、熱病患者の如く狂いまわっ....
「妖怪学」より 著者:井上円了
心性作用を促すところの種々の事情をいうなり。まず、第一に内因を述ぶれば、主として
不覚筋動と予期意向とによりて生ずるなり。今、この二者を知らんと欲せば、まず
不覚作....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
促すところの種々の事情をいうなり。 まず第一に内因を述ぶるに、その主たるものを
不覚筋動と予期意向の二者とす。今この二者を知らんと欲せば、
不覚作用について一言せ....
「活人形」より 著者:泉鏡花
らず、今まで棄置きたる不念さよ。もし下枝等の死したらんには、悔いても及ばぬ一世の
不覚、我三日月の名折なり。少しも早く探索せむずと雪の下に赴きて、赤城家の門前に佇....