不言不語[語句情報] » 不言不語

「不言不語〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

不言不語の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
散は社会が最も忌み嫌うところのものである。 おしなべての男女もまた、社会のこの不言不語の強圧に対して柔順である。彼等の多数は愛のない所にその形骸だけを続ける。....
蘆声」より 著者:幸田露伴
な夢に入ることが、翌朝のすがすがしい眼覚めといきいきした力とになることを、自然|不言不語に悟らされていた。 丁度秋の彼岸の少し前頃のことだと覚えている。その時....
戦雲を駆る女怪」より 著者:牧逸馬
へ宛《あ》てた密書を帯びてドイツを通過するとある。それにたいするスパイの役目は、不言不語の裡《うち》にわかっている。フォン・リンデン伯爵夫人は、ちゃんと心得てい....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
の起臥談笑の間に於ても、本来自然の自己愛着心と不即不離の関係を保ちつつ、知不知、不言不語の裡にこの種の変態心理が流露反映しつつあるものなるを以て一々枚挙に遑あら....
近世快人伝」より 著者:夢野久作
い、厚顔無恥の個人主義一点張りで成功した所謂、資本家、支配階級の悩みの種となり、不言不語の中に日本人特有の生命も要らず名も要らず、金も官位も要らぬ底の清浄潔白な....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
ろう。 これは決して筆者の一存の誇張した文辞ではない。その当時の翁の崇拝者は、不言不語の中に皆しかく信じていたものである。そういう筆者も翁の事を追懐する毎に、....
能とは何か」より 著者:夢野久作
されている。 この道理は小謡の一節、囃子の一クサリ、舞の一と手を習っても、直に不言不語の裡にうなずかれる。昨日の喰わず嫌いが、きょうは能狂になるくらい端的であ....
婦人と文学」より 著者:宮本百合子
は、一葉に対する気分にも、その才能に対する評価と同時の意地わるさ、彼女の境遇への不言不語の軽蔑があったとみられる。 「中島先生のところで、みんなから集めました筆....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
山も驚いたのである。 赤羽|停車場の婆さんの挙動と金貨を頂かせた奥方の所為とは不言不語の内に線を引いてそれがお米の身に結ばれるというような事でもあるだろうと、....
魔像」より 著者:林不忘
という、膳の上よりも膳の下が目的《めあて》ということは、贈るほうも贈られる方も、不言不語《いわずかたらず》、ズンと飲み込んでいるのだから、誠に重宝《ちょうほう》....
田沢稲船」より 著者:長谷川時雨
の?」 孝子が問いかえしたことは、それは、女生徒の間にも、女教師たちの間にも、不言不語《いわずかたらず》に考えられていることなのだ。彼女が描く絵はとにかくとし....