不貞腐れ[語句情報] »
不貞腐れ
「不貞腐れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不貞腐れの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「深夜の市長」より 著者:海野十三
真逆こんな女が持ってきていようなどとは気がつかなかった。 「いいじゃないの」女は
不貞腐れな態度を見せて、「この写真じゃ、随分いい男だと思って貰ってきたんだけれど....
「三狂人」より 著者:大阪圭吉
ちへガウンとぶつかっていった。 「怪我人」は直ぐに捕えられた。手錠を嵌られると、
不貞腐れてその場へベタンと坐り込み、まるで夢でも見たように、妙に浮かぬ顔をして眼....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
が、この時既に庄司、神戸両氏は証人として出廷していたが、支倉は冒頭に何を考えたか
不貞腐れて終った。 裁判記録によると彼は裁判長の訊問に答えなかったのである。 ....
「走れメロス」より 著者:太宰治
。身体疲労すれば、精神も共にやられる。もう、どうでもいいという、勇者に不似合いな
不貞腐れた根性が、心の隅に巣喰った。私は、これほど努力したのだ。約束を破る心は、....
「うつり香」より 著者:近松秋江
ったことがあるので、私もぜひどこかへ連れていきたくて仕方がなかった。それで「この
不貞腐れの売女め!」と思ったが、素直にいそいそと立とうとしないのが業腹で、どうか....
「霜凍る宵」より 著者:近松秋江
、母親は、いつもに似ず私の剣幕が凄まじいのと、近処隣りへ気を兼ねるので、いつもの
不貞腐れをいい得ないで、私をそっと宥めるように、 「まあ、あんたはんもそんな大き....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
けなくも、自分の弱点を突かれると、普通の応対では敵わないと思ったらしく、たちまち
不貞腐れて、眉一つ動かさず、(それがどうしたの?)と云うような顔をして、新子の視....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
なあなって云ったのは? 胡蝶 けらおよ! みのり けらおよ! けらお (ひとり、
不貞腐れている)……おらだい。 間―― なよたけ 駄目ねえ、お前は。……お前のお....
「環礁」より 著者:中島敦
向けているナポレオンの方を忌々《いまいま》しそうに見遣《みや》った。「とにかく、
不貞腐れた、生意気な奴ですよ。まだ子供のくせに、こんな強情な野郎は無い。」 午....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
らなくて仕方がないんでさ。だからこんな病気になんかなっちまうんでさあ」 悲しく
不貞腐れてといおうにはあまりにもキッパリと、 「エエいまだから皆正直にいっちまい....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
い争いが深夜まで続いた後、折柄|篠《しの》突くばかりの土砂降りの中をお銀は戸外へ
不貞腐れて出たのだった。後を追って助三郎が格子へ手を掛けた時、雨に濡れた冷たい刃....
「不在地主」より 著者:小林多喜二
、気が馬鹿になる。」 「どうしたら、ええべな。」 「岸野さんどう出るかな……。」
不貞腐れて、時々酒に酔払ってくる小作も出来た。――辻褄の合わないことを、一人で恐....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
札でも鉄札……飲めばいゝんだろう、飲んだら不思議はねえんだろう。――ついしてそう
不貞腐れもいわざるをえなかった…… 「あいつ。――どこまでたゝるんだ、彼奴……」....