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不身持
「不身持〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不身持の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「手紙」より 著者:夏目漱石
々しい思いをたえず陰でなめさせられたのである。そのすべては娘のかたづいた先の夫の
不身持ちから起こったのだといえばそれまでであるが、父母だって、娘の亭主を、業務上....
「名人長二」より 著者:三遊亭円朝
ば、身分違いの職人の家へ嫁入りを致しましては、第一先祖へ済みませず、且世間で私の
不身持から余儀なく縁組を致したのであろうなぞと、風聞をいたされますのが心苦しゅう....
「ヴィヨンの妻」より 著者:太宰治
のです。だいいち、ご身分が凄い。四国の或る殿様の別家の、大谷男爵の次男で、いまは
不身持のため勘当せられているが、いまに父の男爵が死ねば、長男と二人で、財産をわけ....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
うです」 平「左様か、大分不人情の女だの」 孝「いえ、それと申しまするのも親父の
不身持に愛想を尽かしての事でございます」 平「親父はまだ存生か」 と問われて、....
「五通」より 著者:田中貢太郎
あなたもまた私を入れてくださらないでしょうから。」 金はそこでまたこの女は隣の
不身持な女だろうと思いだしたので、自分の品性を汚されるのを懼れて、 「それは大い....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
イザは室を片づけながらその手紙を見つけた。ところがその時彼女は、メルキオルがまた
不身持になってたので、非常に不仕合せだった。それで手紙を引裂かないで、取っておい....
「女大学評論」より 著者:福沢諭吉
足らず。我輩は之を飼放しにして無事を楽しまんとする者なり。今の世間の実際に女子の
不身持にして辱《はじ》を晒《さら》す者なきに非ず、毎度聞く所なれども、斯く成果て....
「桜の園」より 著者:神西清
だ。わたしは大好きなんだが、それにしたって、いくらヒイキ目に見たところで、やはり
不身持ちなことだけは認めないわけには行かん。こいつは、ちょっとした身ぶり一つにも....
「豆腐買い」より 著者:岡本かの子
みさんだった。いまは瘠せてしまって心配そうな太い静脈が額に絡み合っている。亭主の
不身持か、世帯の苦労か、産後からひき起した不健康か。一番大きな原因に思えそうなの....
「我が円朝研究」より 著者:正岡容
によってはじめて一心同体と結ばれたのである。 その結果、伴蔵の女房おみねは夫の
不身持《ふみもち》を怒って、果ては嫉妬半分お前が「萩原様を殺して海音如来のお像を....
「教育の事」より 著者:福沢諭吉
、本人は得々として無上の安楽世界なるが如し。たまたま他人の知らせによってその子の
不身持《ふみもち》などの様子を聞けば、これを手元に呼びて厳しく叱るの一法あるのみ....
「無宿人国記」より 著者:吉川英治
ため棒に振ってまで、国元を、出奔してきた程な仲だったらしいので。――だが女は男の
不身持と、斬ったの、殺したのと、血なまぐさい行状ばかり見ているので、愛想もつき、....