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「不躾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

不躾の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
、と目に涙でも何でもねえ。家は空いたか、と云うんでさ。近頃|流行るけれど、ありゃ不躾だね。お前さん、人の引越しの中へ飛込んで、値なんか聞くのは。たとい、何だ、二....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
揃って畳の膝を摺らした。 (この階子段の下から、向直ってのっそりのっそり、何だか不躾らしい、きっと田舎のお婆さんだろうと思いました。いけ強情な、意地の悪い、高慢....
春昼」より 著者:泉鏡花
ずれ、御旅館で、」 「否、一室借りまして自炊です。」 「は、は、さようで。いや、不躾でありまするが、思召しがござったら、仮庵室御用にお立て申しまする。 甚だ唐....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
ちょっと……お待ち下さい。鐘を見ようと思いますが、ふと言を交わしたを御縁に、余り不躾がましい事じゃが、茶なりと湯なりと、一杯お振舞い下さらんか。 百合 お易い事....
半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
からも、むくむくとも噴出さず、ちろちろちろちろと銀の鈴の舞うように湧いています。不躾ですが、御手洗で清めた指で触って見ました。冷い事、氷のようです。湧いて響くの....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
いんえただ一つだけ。おしるしに頂戴してくれるようにと申すんで、や、も、御覧の通、不躾ながら罷出ました。実はね、媽々衆、ああ見えて、浮気もんでね、亭主は旅稼ぎで留....
星女郎」より 著者:泉鏡花
とか云う男なんです。 ずッと来て、裾から貴婦人の足を圧えようとするから、ええ、不躾な、姉を悩す、病の鬼と、床の間に、重代の黄金づくりの長船が、邪気を払うといっ....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
と申しますか、そのままではとても私どもの腑に落ちかぬるところがあり、私としては、不躾と知りつつも、何度も何度も問いかえして、やっとここまで取りまとめたのでござい....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
、その白梅よりやや淡青い、春の李の薫がしたろう。 うっかり、ぷんと嗅いで、 「不躾け。」 と思わずしゃべった。 「その香の好さと申したら、通りすがりの私ども....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
めなければなりません。わたくしはひとまずあなたのお手紙をお返し申しますが、どうぞ不躾な仕業とお怨み下さりませぬよう、幾重にもお願い申します」 翌日、ヘルマンの....
雪霊続記」より 著者:泉鏡花
って、早や壁も天井も雪の空のようになった停車場に、しばらく考えていましたが、余り不躾だと己を制して、やっぱり一旦は宿に着く事にしましたのです。ですから、同列車の....
深川女房」より 著者:小栗風葉
リいざり寄って来る。 「あれ、そっちへ行っておいでよ! 人が着物着更えてるのに、不躾千万だね」 六 医者が今日日の暮までがどうもと小首をひねった危篤....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
窺けません。 ――真先にこれを一つと思ったんです。もう堂の中に居るのですから、不躾に廚裡へ向って、大な声は出せません。本堂には祖師の壇があります。ここで呼立て....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
。それが美味なのだという。(子をば食う蟹)か、と考えた。……女が売るだけにこれは不躾だった。香箱蟹だそうである。ことりと甲で蓋をしていかにも似ている。名の優しい....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
袖を引張らないの、持たないんです。」 多津吉は、妙に唇をゆがめながら、 「余り不躾らしいから。」 と云った、大島の知らず、絣の羽織の袖を、居寄って振袖の紫に....