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「不逞〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

不逞の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
冬の蠅」より 著者:梶井基次郎
ない蠅。そして飛べないのかと思っているとやはり飛ぶ蠅。彼らはいったいどこで夏頃の不逞《ふてい》さや憎々しいほどのすばしこさを失って来るのだろう。色は不鮮明に黝《....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
を持ち出して、悪趣味だった。 「言いなさい。何なら此処へ呼びましょうか」そう言う不逞な言葉になると、豹一の独壇場だった。 「強情ね、あんたは。一体何の用なの」 ....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
神がこれらの星に光れと命じたときに光り始めなかったからである。このように星辰は『不逞の天使』すなわち、主上の神から排斥された神々であったのである。 カルデアの....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
少尉は、マスクを取ると、大声に叫んだのだった。「敵は陸軍々人の服装をしているが、不逞群衆の仮装であると認める。十分に撃ちまくれ、判ったな。――左翼、中央の両隊の....
渾沌未分」より 著者:岡本かの子
にかかっている都会娘の小初の意地も悲哀も執着も性を抜かれ、代って魚介鼈が持つ素朴不逞の自由さが蘇った。小初はしなやかな胴を水によじり巻きよじり巻き、飽くまで軟柔....
食魔」より 著者:岡本かの子
てこの春の二回の面会は通り魔のようなものだった。折角設計して来た自分らしい楼閣を不逞の風が浚い取った感じが深い芸術なるものを通して何かあるとは感づかせられた。し....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
それは、どうせ死ぬものなら行きがけの駄賃と、まるで泥で煮つめたような絶望の底の、不逞不逞しさとしかマヌエラには思われなかった。熱くさい呼吸、それを避けようともが....
大脳手術」より 著者:海野十三
の不運なる、遂に両人に行逢うことができないのであった。 私は自暴自棄になって、不逞にも和歌宮先生の許へ暴れ込んだ。私は悪鬼につかれたようになって、先生を診察台....
二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
ゃ」とスターベアは、太い髭をふるわせ、 「つまり、誰か、このわしを蹴落そうという不逞の部下が居て、わしに相談もしないで敵を攻めているのではなかろうか。そいつは、....
宇宙戦隊」より 著者:海野十三
れかへ出かけた。 ストロボ鏡の発明 いつの間にか、地球をうかがっていた、不逞の宇宙魔ミミ族のことは、放送電波にのって全世界へひびきわたった。そして世界中....
可能性の文学」より 著者:織田作之助
さにノスタルジアを感じて、狼狽してこれを賞讃しなければならぬくらい、日本の文学は不逞なる玄人の眼と手をもって、近代小説の可能性をギリギリまで追いつめたというのか....
武田麟太郎追悼」より 著者:織田作之助
たが、この小説をよむと、麹町の家を焼いてからの武田さんの苦労が痛々しく判るのだ。不逞不逞しいが、泣き味噌の武田さんのすすり泣きがどこかに聴えるような小説であった....
東京文壇に与う」より 著者:織田作之助
豪放かつ不逞な棋風と、不死身にしてかつあくまで不敵な面だましいを日頃もっていた神田八段で....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
行いすました世捨て人ではない。実人生への敗恤と、それによって交換し得た文学精神の不逞の自信とで、内心の動揺をなかなか処理しきれなかった人のようだ。出家当時は京都....
浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
民、中小企業者の生活安定なくしては、日本の経済の再建はありません。それは労働者を不逞のやからと呼び、貧乏な日本には労働争議はぜいたくといい、中小企業者は死んで行....