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「不連続線〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

不連続線の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
旅愁」より 著者:横光利一
かったが、話半分にしても市民の狼狽した話などを聞かされると、日本に吹きつけている不連続線はヨーロッパどころの風ではなさそうに久慈には思われた。 「僕らはまだ若い....
藤の実」より 著者:寺田寅彦
けて十数か所に山火事の起こる事は決して珍しくない。こういう場合は、たいてい顕著な不連続線が日本海から太平洋へ向かって進行の途中に本州島弧を通過する場合であること....
銀座アルプス」より 著者:寺田寅彦
始めて以来、まだ一度も著しい降雹がなかったようであるが、今に四五月ごろの雷雨性の不連続線に伴のうて鳩卵大の降雹がほんのひとしきり襲って来れば、銀座付近が一時はだ....
函館の大火について」より 著者:寺田寅彦
六時にはかなりな低気圧の目玉が日本海の中央に陣取っていて、これからしっぽを引いた不連続線は中国から豊後水道のあたりを通って太平洋上に消えている。こういう天候で、....
災難雑考」より 著者:寺田寅彦
の地方にひけは取らないつもりである。その上に、冬のモンスーンは火事をあおり、春の不連続線は山火事をたきつけ、夏の山水美はまさしく雷雨の醸成に適し、秋の野分は稲の....
空中漂流一週間」より 著者:海野十三
ていた。 キンチャコフの方が、かえってふうっと溜息をついた。 涯なき漂流不連続線という悪戯者がなかったら、二人のうちのどっちかは、間もなく日本海を航行中....
太平洋魔城」より 著者:海野十三
と事務長は、丸窓から外をのぞいてみて、 「ああ、あそこへ変な雲がでてきました。不連続線のせいですよ。一荒れ来るかもしれません」 艇長も外に目をやった。なるほ....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
板上に落ちてくるせいだった。 「ほう、外はいよいよしけ模様だな」 「うむ。しかし不連続線だそうだよ。いまにはれるだろう」 細い艦内通路を、肩をならべて歩いてゆ....
五月の唯物観」より 著者:寺田寅彦
きかけた藤の花を吹きちぎり、ついでに柔らかい銀杏の若葉を吹きむしることがあるが、不連続線の狂風が雨を呼んで干からびたむせっぽい風が収まると共に、穏やかにしめやか....
浅間山麓より」より 著者:寺田寅彦
しても約摂氏五度ほどの気温降下を経験する。それで乗客の感覚の上では、恰度かなりな不連続線の通過に遭遇したと同等な効果になるわけである。しかし、乗客はみな、そんな....
猫の穴掘り」より 著者:寺田寅彦
ある。 これらの現象もやはり交通文明の発達と聯関しているようである。 小さな不連続線が東京へかかったと見えて、狂風が広小路を吹き通して紳士の帽を飛ばし淑女の....
マーカス・ショーとレビュー式教育」より 著者:寺田寅彦
では自分でこの仲間にはいろうという勇気を沮喪させていた。 ある日曜日の朝顕著な不連続線が東京附近を通過していると見えて、生温かい狂風が軒を揺がし、大粒の雨が断....