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不道徳
「不道徳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不道徳の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
のれ》を欺いて、この事実を否定するには、余りに正直な人間であった。勿論この事実が
不道徳なものだなどと云う事も、人間性に明な彼にとって、夢想さえ出来ない所である。....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
くとも生涯同一の歎を繰り返すことに倦《う》まないのは滑稽《こっけい》であると共に
不道徳である。実際又偉大なる厭世《えんせい》主義者は渋面ばかり作ってはいない。不....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
とを教えられずして行儀正しくせよと教えられる。われらは恐ろしく自己意識が強いから
不道徳を行なう。おのれ自身が悪いと知っているから人を決して許さない。他人に真実を....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
後に起った殺人事件と祖先の血との間に、いったいどういう関係があるのだね。なるほど
不道徳という点では、史学も、法医学や遺伝学と共通してはいるが……」
「なるほど、....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
ったそうだ。変じゃないか、え、姉様、何を疑ぐッているんだろう。何か僕と、姉様と、
不道徳な関係があるとでもいうことなんかね、それだと失敬極まるじゃあないか、え、姉....
「嫉みの話」より 著者:折口信夫
しているが、うわなりねたみは、近代になって非常に抑圧せられた。ねたみは、女のもつ
不道徳だと考えられ、教化(道徳と政治との結びつき)のほう、宗教のほうから、これを....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
の逞しい姉の夫は人一倍|痩せ細った僕を本能的に軽蔑していた。のみならず僕の作品の
不道徳であることを公言していた。僕はいつも冷やかにこう云う彼を見おろしたまま、一....
「科学時潮」より 著者:海野十三
ぎ、服装も一緒にこれを怪人が着しているのだという事が判った。 一行は怪人に其の
不道徳を詰問したが、一向要領を得なかった。というのも怪人は人を殺すということなん....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
みちみちています。真の道徳は地を払ってしまった。……自己の栄達のためには、どんな
不道徳なことでもしかねません。他人の幸福のことなど、微塵も考えてくれやしません。....
「反省の文学源氏物語」より 著者:折口信夫
、そう言うところだけにある訣ではない。 ○ 人によっては、光源氏を非常に
不道徳な人間だと言うけれども、それは間違いである。人間は常に神に近づこうとして、....
「子をつれて」より 著者:葛西善蔵
ることになった。それは、Kの友人達が、小田のような人間を補助するということはKの
不道徳だと云って、Kを非難し始めたのであった。「小田のようなのは、つまり悪疾患者....
「夜の構図」より 著者:織田作之助
はならぬ言葉であろう。すくなくとも、常識ある人の口から出る言葉ではない。あまりに
不道徳すぎる! しかし、信吉は猫でもなければ杓子でもなかったから、道徳家の耳に快....
「迷信解」より 著者:井上円了
て霊験ありとするも、誠心誠意をもって行うにあらざれば神仏の許すはずはない。もし、
不道徳の心をもって己の私欲を満たさんとて祈願をしたりとも、神仏はこれを助くるどこ....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
るを見れば、その国に帰りて必ず人に語りて曰く、日本国の野蛮推して知るべし。僧侶の
不道徳かくのごとし。すなわち、僧侶の不道不徳は日本人一般の野蛮を代表するなり。ゆ....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
てみますと、一人の夫が道を歩きながら、見も知らぬ女性に愛を語ろうとしたら、これは
不道徳ばかりでなく、場合によっては法律上の問題になります。これは三つの条件が狂っ....