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不随
「不随〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不随の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
父はおぬいの十二の時に脊髄結核《せきずいけっかく》にかかって、しまいには半身|
不随《ふずい》になったので、床にばかりついていた。気丈《きじょう》な母は良人の病....
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
ドゥ・ビランは、生来の盲人に色彩の何たるかを説明すべき方法がないと同様に、生来の
不随者として自発的動作をしたことのない者に努力の何たるかを言語をもって悟らしむる....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
または奮発(僕はこれを真に生きた愛情という)がないではないか? 僕は僕の妻を半身
不随の動物としか思えないのだ。いッそ、吉弥を妾にして、女優問題などは断念してしま....
「海底大陸」より 著者:海野十三
ー事務長は、見えぬ眼をまたたいた。日ごろ豪胆をもって鳴っていたが、メリー号の全身
不随となったのを知って、今は、すっかり絶望のふちに沈んでしまったかれだった。 「....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
があたかも風のごとくに、音もなく三人の背後に現われ得たのも、道理であろう。下半身
不随のこの老史学者は、ちょうど傷病兵でも使うような、護謨輪で滑かに走る手働四輪車....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
まで健康だった脳髄の左半葉に溢血して、自由な右半身に中風性麻痺が起ったのだ。半身
不随者が絶えず不意の顛倒を神経的に警戒しているのを見ても判るだろうが、異常な精神....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
湯を呑むにさえ、人の手かりたりしを、情なき一座の親方の、身の代取りて、その半
不随の身を売りぬ。 買いたるは手品師にて、観世物の磔にするなりき。身体は利かで....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
『神』又は『仏』のみを説きて、神意の行使者たる天使の存在を説かない教は、殆ど半身
不随症に罹って居る。無論ここにいう天使は、西洋式の表現法を用いたまでで、日本式で....
「アド・バルーン」より 著者:織田作之助
おめかし処」と父の筆で書いた行灯が掛っていたのだが、二三年前から婆さんの右の手が
不随になってしまったので、髪結いもよしてしまったらしい。弟の新次は満洲へ、妹のユ....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
はその時から献身者の地位に立たされねばならなかった。繭に籠っていた蛹が蛾と化り、
不随意に見えた世界を破って、随意自在の世界に出現する。考えてみればこの急激な変貌....
「笑について」より 著者:岸田国士
います。つまり、自分の職業に対する一種の自尊心であります。その習癖は、実に、関節
不随のような症状を呈します。そして時によると、この症状は一種の冷酷さになります。....
「蜘蛛の夢」より 著者:岡本綺堂
すから、自分も男の仲間にはいって一緒に勝負をしていたそうです。親父のよい辰も半身
不随のくせに、やはり勝負をしていたのでございます。いつの代もおなじことで、こんな....
「瘤」より 著者:犬田卯
んど倍もかけるようにしてしまったし、それから、農会や信用組合まで喰いかじって半身
不随にした揚句、程もあろうに八百円の「慰労金」まで、取って辞めたという存在――い....
「画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
溢血に倒れるまでは、医者にかかったことがなかったほど健康な人でした。七年間、半身
不随でおりましたが、亡くなるまで頭はしっかりしておりました。毎日沢山の新聞に全部....
「特殊部落と寺院」より 著者:喜田貞吉
れていたのであった。 自分は仏教の事をよく知らぬが、「妻子珍宝及王位、臨命終時
不随者」と観ぜられて、太子の尊き位を遜れ給うた釈迦牟尼世尊には、宏壮なる殿堂に住....