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不随意
「不随意〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不随意の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
れから後は、もう西洋から有名な学者が来てもあまり近よらないことにした。第一言語が
不随意で思ったことの三分一も言えず先方のいうこともどれだけわかったかわからないか....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
が失われたように思われる。スタイルを失った作家は惨めだ。今迄無意識に働かしていた
不随意筋を、一々意志を以て動かさねばならないのだから。 しかし、一方「難破船引....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
! この方が、そうかも知れない! あの、先刻、寝台を作りましょうかと言って来た、
不随意筋ばかりで出来てるような寝台車掌! あの男は、確かにクイリナアレの廻し者で....
「溺るるもの」より 著者:豊島与志雄
もしそういうものがあれば――それのようだった。赤い錦紗《きんしゃ》の着物の下に、
不随意筋の運動めいた、柔かな中に円いくりくりした動きを持っていた。そして私の眼の....
「舞踏病」より 著者:豊島与志雄
をコレア・ミノールと云って、重に女の子供に起る昔からある病気です。身体の随意筋が
不随意に収攣して種々多様な運動を起すので、傍から見てると丁度おかしな舞踏でもやっ....
「高千穂に思う」より 著者:豊島与志雄
が、高千穂の頂上は、たとえ見えなくとも、すぐそこにある筈だった。私の足は疲れきり
不随意になりながらも、岩角や砂礫の上を攀じ登っていった。 霧の中から、鉄柵の如....
「古木」より 著者:豊島与志雄
した。 彼はもう発熱を殆んど意識しませんでした。ただ、頭部と足先との重さ、手の
不随意な震え、突発的な動悸、なにかの呼吸障害、そんなもの全体から来る重圧のなかに....
「花咲ける石」より 著者:坂口安吾
のそれと同じくあらゆる部分が力に応じて随意に動くようになっていた。つまりどこにも
不随意筋というものがない。下の話で恐縮だが、男の例の一物は随意に動くものではない....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
はその時から献身者の地位に立たされねばならなかった。繭に籠っていた蛹が蛾と化り、
不随意に見えた世界を破って、随意自在の世界に出現する。考えてみればこの急激な変貌....
「海豹島」より 著者:久生十蘭
った。あまり身体の廻りに詰めものをかったので、皮膚の呼吸が充分でなくなり、それに
不随意な恰好と冷えで胃痙攣を起したのであった。私がいい工合に土間にひきさがらなか....
「魔都」より 著者:久生十蘭
して垂直に床に落ちたことがわかる。その男はここでよろけるか膝をつくかして、口から
不随意に葉巻を落したに違いない。手に持って投げ捨てたのならば、多少の弾みがつくか....
「虹の橋」より 著者:久生十蘭
だした。皮膚が感じているのは、じぶんの体温とちがう体温であり、四肢の位置もひどく
不随意で、自分でなら、どうしたってこんな恰好はしないだろうと思うような意外な状態....