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不馴れ
「不馴れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不馴れの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「まざあ・ぐうす」より 著者:北原白秋
苦しみをなめた。 もっとも、一昨年あたり、はじめてこのことに着手した当座はまだ
不馴れで、充分手に入らなかったゆえに、謡いものとするために多少の手加減をしなけれ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ぐに云ってしまわなければならない。その呼吸がなかなかむずかしいもので、年のわかい
不馴れの同心などが番屋で罪人をしらべる時、相手が玄人だとあべこべに云い負かされて....
「地獄街道」より 著者:海野十三
あるし、また間違って売る場合もある。それはバーの主人がときどき休む月曜日の夜に、
不馴れなマダムが時々こいつを客に飲ませるのだ。勿論マダムはそんな妖酒とは知らず、....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
けまして、百何十年もつづけて来た商売をとうとうやめることに決心しました。さりとて
不馴れの商売なぞをうっかり始めるのは不安心で、士族の商法という生きた手本がたくさ....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
のいの一番を試み相勤める人達の勇気に対してかなりの尊敬を払っている。どうせ最初は
不馴れと勝手のわからぬおかしみとがあり、笑われるにきまっている。にもかかわらず時....
「ニューフェイス」より 著者:坂口安吾
キにおたのうしやす」 そう紹介してやっているのに、挨拶に近づいてくる風もない。
不馴れなのだから、ほったらかしておいてやれ、と千鳥波は気にかけず、 「おい、お銚....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
ぼしたりとんだソソウをやらかすことがあるから、娘をつれてきたといふ、娘は水商売に
不馴れだから当分後見指南に当る由、娘は二十八、出戻りで、一つも取柄といふものがな....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
れにつれて帳簿の整理が行われ、喜兵衛の親友でありチヨの実父たる三原太兵衛が家業に
不馴れな清作を輔けて指図する。と、重二郎の不正は続々と現れてきた。架空の山が買い....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
る。これらの人々は大概田舎から田畑を売って幾何かの金を持ち来り、ことごとくかかる
不馴れの仕事のために消費し尽くして、どこへか影をかくしてしまう。実にこの下宿屋営....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
いるところが少しでも欠けていてはすむまい。 それは勿論のことである。さればこそ
不馴れな仕事を、中途で止めもせずに、一応はその責を果しはした。ただ無計画に筆をつ....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
児の孔雀に依り裏書された訳である。 然し、日本に戻ってからの九十郎には、言葉に
不馴れのせいもあって、それは非道い、厭人癖が現われていた。のみならず、声音までも....
「鷲」より 著者:岡本綺堂
来、鷲が一羽も姿を見せなかったこと、ゆうべ初めて一羽の仔鷲を見つけたが、鉄砲方が
不馴れのために撃ち損じたこと、それらを夫婦が代るがわるに話したが、いずれもすでに....
「二重人格者」より 著者:小酒井不木
ねばどんなことを仕出来すかわからない。 しかし、その患者に附いていた看護人は、
不馴れであったため、すぐさま、医員を呼びに行かないで、患者に向って、そのナンセン....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
いに風呂の水はおろか、炊事の水にも事欠くことがしばしばだった。この辺の農村生活に
不馴れな妻は、その度ごとに不如意がちな私たちの離京生活をなげくのであった。 浩....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
分の落ちつきは得られなかった。甲板での活動写真の催しも、いたずらに人寄せの技師が
不馴れで、ただ急造の白幕に白い円ばかりを出して、そのままコチコチコチコチで中止に....