与る[語句情報] » 与る

「与る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

与るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
人「何うぞ密《そっ》と差し出して、誰にも云わぬ様に願います」余は此の夫人の秘密に与るのは厭で厭でならぬけれど、詮方なく其の言葉に従い、自分で郵便にまで托して遣っ....
「河明り」より 著者:岡本かの子
るんだけれど……なによ、その伎倆っていうの」 年長の芸妓は物事の真面目な相談に与るように、私が押し出してやってある長火鉢に分別らしく、手を焙りながら、でもその....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
からね。ところで、こういう女王アン時代の警句を御存じですか。陪審人が僧正の夕餐に与るためには、罪人が一人｜絞り殺される――って。だいたい、父という人物が、そうい....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
能力のごとく思われる。あるいはしからずとするも、非凡なる芸術的、哲学的天才のみの与ることを得る超越的認識のごとく思われる。しかしけっしてそうではない。最も自然に....
「死者の書」より 著者:折口信夫
室の朔日じゃ。そう思う下から歯の根のあわぬような悪感を覚えた。大昔から、暦は聖の与る道と考えて来た。其で、男女は唯、長老の言うがままに、時の来又去った事を教わっ....
「霊界通信　小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
でも男が好きだったものでございますので、最後に、『二人の間に子供ができたらそれを与る』という約束が成り立ちまして、とうとう黄道吉日を選んでめでたく婿入りというこ....
「水の女」より 著者:折口信夫
との関係は、反正天皇と丹比と音の転じたことも考えてよい。 産湯から育みのことに与る壬生部は、貴種の子の出現の始めに禊ぎの水を灌ぐ役を奉仕していたらしい。これが....
「心の王者」より 著者:太宰治
の短い期間だ。その期間をこそ大事になさい。必ず自身を汚してはならぬ。地上の分割に与るのは、それは学校を卒業したら、いやでも分割に与るのだ。商人にもなれます。編輯....
「取舵」より 著者:泉鏡花
の赤飯だ。その上に船賃を取らんのだ。乗合もそれは目出度と言うので、いくらか包んで与る者もあり、即吟で無理に一句浮べる者もありさ。まあ思い思いに祝ッてやったと思い....
「歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
々の生活の上に、進んだ型と、普通の様式とを示さねば、意義がない。短詩形が、人生に与ることの少いことは言うたが、社会的には、そう言うても確かな様である。併しその影....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
い。お止しなさいよ。あれでも表面は真面目なんですから……。」 「それだから戯って与るんだ。」 斯ういう暢気な親父が、何故｜山※なんぞを恐れるのだろうと、市郎は....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
法王とかあるいは第二の法王とかいうような者はやはり土葬ではないか。その死体を鳥に与るでもなければ水の中へ葬りもしない。ちゃんと塩漬にしてそうしてその乾いた死体を....
「活人形」より 著者:泉鏡花
しようよ。「それが宜うございましょう。そうして御約束の御褒美は。「家へ行ってから与る。「間違ませんか。「大丈夫だ。「きっとでしょうね。「ええ、執拗な。「難有え、....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
大悪｜無道、親方はいつのっそりの頭を鉄扇で打ちました、いつ蘭丸にのっそりの領地を与ると云いました、私は今にもしもあいつが親方の言葉に甘えて名を列べて塔を建てれば....
「融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
階級に置かれ、奈良朝に雑戸が解放せられまして、平民の身分を得た際にも、その恩典に与るをえなかったものとみえます。 前章に述べた雑戸や、家人、奴婢、陵戸の類は、....