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「与奪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

与奪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
奴隷根性論」より 著者:大杉栄
二 勝利者が敗北者の上に有する権利は絶対無限である。主人は奴隷に対して生殺与奪の権を持っている。しかし奴隷には、あらゆる義務こそあれ、何等の権利のあろう筈....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
七ツか八ツの少年工や少女工までが、蒼くなって、どんよりとした、悲しげな眼で、生殺与奪の権を握っている日本人をだまっておがむように見るのだった。 賃銀支払は、幹....
石狩川」より 著者:本庄陸男
つの間にか、それはまた分封された自分の小さな土地に於いては主であった。城主に生殺与奪の権が喪《うしな》われてしまえば、こんどは彼らが自分で自分の身をまもらねばな....
鬼畜の言葉」より 著者:宮本百合子
のこっている封建的感情は、ハイ・ボールの一杯機嫌で気焔をあげるにしても、すぐ生殺与奪の権をほしいままに握った気分になるところが、いかにもおそろしいことである。こ....
世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
うものはもはやただの言論活動の統制などではなくて、人間的生存そのものに対して生殺与奪の力を振るう云わば牧畜的統制にさえなるのである。「言論の自由」と云う実際問題....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
野村の藤原家の邸内は、いわば治外法権の地である。この邸内に於て行わるる限り、生殺与奪というものが、この家の主人にある。主人以上の暴女王は、おそらく怒りが心頭にの....
マダム貞奴」より 著者:長谷川時雨
今《いま》よりも無学文盲であった社会には、あらゆる権勢の最上級に見なされて、活殺与奪の力までも自由に所持してでもいるように思いなされていた。そして伊藤公は――か....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
漢で南京虫にすぎないおれのために、あの女《ひと》は身も心もいっさいをあげて、生殺与奪の権を握られているのだ。追いつめられてしまっているのだ。おれはあからさまに言....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
は悪化して来ておるわい。わしたちの遠くもない先祖たちは近隣の下民どもに対して生殺与奪の権を持っておったものじゃ。この部屋からも、たくさんのそういう犬どもがひっぱ....
ロボットとベッドの重量」より 著者:直木三十五
「恋愛にさえ、ロボ助が、勝つようになっては、人類の最後ですね。」 「ええ、生殺与奪は、女性の手へ、戻ってきた訳ね。」 「そうらしいです。」 男は、立上った。....
予審調書」より 著者:平林初之輔
しこむ夕日は、室内の光景に、一種の神厳な趣を添えている。原田教授は、我が子の生殺与奪の権を握っている予審判事の口から出る一語一語に、はらはらしながら聴き入ってい....
学校の説」より 著者:福沢諭吉
《はぶ》き、書籍に不自由なし。その得、一なり。 一、官には黜陟《ちゅっちょく》・与奪《よだつ》の権あるゆえ、学校の法を厳にし、賞罰を明らかにすべし。その得、二な....
式部小路」より 著者:泉鏡花
行くのは見えるし……」 刻下、口を衝いて数百言、竹永は我が探訪の職に対し、生殺与奪の権を握れる、はたかれ神聖なる記者として、その意見に服し、その説に聴くこと十....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
と家属及び平民との関係はほとんど国王と人民との関係のようなもので、その平民を生殺与奪するところの権利はもちろんその華族に在るんです。またこの華族は平民から人頭税....
放免考」より 著者:喜田貞吉
しい名称が、永くその身に付き纏わるべき筈はないのである。「西宮記」巻廿三臨時十一与奪事の条に、役おわりたる獄囚を放免するの儀を叙して、 勘問式云、尉乍押歟) 今....