丑の日[語句情報] » 丑の日

「丑の日〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

丑の日の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
村の怪談」より 著者:田中貢太郎
子はえんこうにこうもんを抜かれた」 私の村では、河童をえんこうと云った。土用の丑の日には、村の農家では胡瓜を海や川に流して河童を祭った。 狸は人をたぶらかす....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
かえって愛でたく、上瞼に薄っすら刷いたも風情のあるものだ。 この紅、土用と寒の丑の日に刷かすをよしとして、当日は小間物やが店先に「本日うし」と筆太に記されたビ....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
け……多年になりますが。」 三十一 「故郷では、未婚の女が、丑年の丑の日に、衣を清め、身を清め……」 唾をのんで聞いた客僧が、 「成程、」 と....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
は、授けるまでに人を吟味し、信心を試験することがかなり厳しいと聞いていたのに――丑の日の深更を選んで、子無き女のために、子を授くるの秘法が行われる、滅多な者には....
戯作者」より 著者:国枝史郎
真夏が江戸へ訪れて来た。 観世音四萬三千日、草市、盂蘭盆会も瞬間に過ぎ土用の丑の日にも近くなった。毎日空はカラリと晴れ、市中はむらむらと蒸し暑い。 軽い歯....
早耳三次捕物聞書」より 著者:林不忘
ら作った物が載りも光沢《つや》も一番好いとなっているが、これから由来して、寒中の丑の日に水揚げした珊瑚は、地色が深くて肌理《きめ》が細かく、その上、ことのほか凝....
鰻の話」より 著者:北大路魯山人
をならす。従ってうなぎ談義が随所に花を咲かせる。うなぎ屋もこの時とばかり「土用の丑の日にうなぎを食べれば健康になる」とか「夏やせが防げる」とかいって、宣伝にいと....
食道楽」より 著者:村井弦斎
乏しますから随《したがっ》て営養分にも不足する。そこで天然の民間療法として土用の丑の日に鰻《うなぎ》を食べるということがあります。あれは丑の日に限った訳ではない....
こども風土記」より 著者:柳田国男
長崎県の下五島にもネンガラ打ちの遊びがあり、さらに熊本県の天草下島でも旧十一月|丑の日の山の神祭の前に子どもが、手頃の木を伐って来て、このネンガラを作っておいて....
年中行事覚書」より 著者:柳田国男
は忘れてはいなかった。旧十一月になって田の神の終りの祭を営む例は、九州北部一帯に丑の日様またはオウシ様といって初の丑の日、それから西南の島々にかけても、同じ日に....
新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
牡丹は古い。一時は婦人小間物は白牡丹でなくてはならぬとまでいわれたもので、土用の丑の日べにを売り、買った人には、土製の粗末ながらへんに感じのいい黒い牛の玩具をく....