»
世
「世〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
世の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
さぐ》る内に、家中の侍《さむらい》の家へ出入《でいり》する女の針立《はりたて》の
世間話から、兵衛は一度広島へ来て後《のち》、妹壻の知るべがある予州《よしゅう》松....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
らの不忠の侍をも、憐みこそすれ、憎いとは思っていない。人情の向背《こうはい》も、
世故《せこ》の転変も、つぶさに味って来た彼の眼《まなこ》から見れば、彼等の変心の....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
印度人の婆さんは、脅すように指を挙げました。 「又お前がこの間のように、私に
世話ばかり焼かせると、今度こそお前の命はないよ。お前なんぞは殺そうと思えば、雛っ....
「狂女」より 著者:秋田滋
。で、この女はしょッちゅう寝かしっきりにされていて、身のまわりのこととか、化粧の
世話とか、敷蒲団を裏返すような時でもなければ、誰も彼女をその蒲団のなかから引ッぱ....
「墓」より 著者:秋田滋
であります。それは、愕きでもありません、嘆美でもありません。さればと云って、よく
世間で云っております、あの、雷にどかーんと撃たれたような気持、――ああしたもので....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
目には知れぬ失意、劇しい苦悶がその動機となっての結果であろうか? こうした場合に
世間ではよく恋愛関係の悲劇を探したり想像してみたりする。あるいはまた、その自殺を....
「初雪」より 著者:秋田滋
たらしい、喘ぐような息遣いをしながら、そのベンチに腰を下ろした。蒼ざめた顔はこの
世のひとの顔とも思われない。そして頻りに咳をした。彼女はそのたびに、自分の精根を....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
庵とて医師なり。余は父よりは伯父に愛せられて、幼きより手習学問のこと、皆な伯父の
世話なりし。自ら言うは異な事なれど、予は物覚えよく、一を聞て二三は知るほどなりし....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
い。なるほどナポレオンやアレキサンドロスのは、雄であり、壮である。しかし、いつの
世にでも、日本での発見はそのまま
世界の発見であり、詩や歌のごとく、外国語に訳する....
「寡婦」より 著者:秋田滋
火花を散らすような恋愛事件をのこらず語って聞かせるのでした。なぜかと云いますと、
世間ではその話を、それには本当のもあれば根も葉もない嘘のもありましたが、いろいろ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
れた高い丘に、小さな渓谷、というよりはむしろ窪地というべきところがあるが、そこは
世の中でいちばん静かな場所である。小川が滑るように流れそのせせらぎは人を眠りにい....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
男は車大工を稼業にして暮しをたてていた。夫婦そろってなかなかの稼ぎ屋だったので、
世帯をもってしばらくたった頃には、どうやら小金もできた。ただ、夫婦のなかには、ど....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
彼は高等法院長として、清廉な法官として
世を去った。非の打ちどころのないその生涯は、フランス中の裁判所の評判になった。弁....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
火線香の最後に落ちる玉となって消えた夢野久作、その火華は、今十巻の全集となって、
世に出ようとしている。 久作さんを知ったのは何時の頃からかは、はっきりしない。....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
のだ。知っているからこそお前に相談をするのだ。実はあの朝太郎というお子は、殿のお
世継の吉松様という方なのだ。さあ、こう申したら、お前もさぞ驚くだろうが、ちょっと....