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世に問う
「世に問う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
世に問うの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
詩の原理』であるのみでなく、同時に詩人としての僕の立場と、僕の芸術上の信条とを、
世に問うて自ら明らかに示すものであるから。 僕はこの新しき書物について、自分は....
「大和路・信濃路」より 著者:堀辰雄
学説をとなえてきた、このすぐれた詩人が、その研究の一端をどこまでも詩的作品として
世に問うたところに、あの作品の人性《ユマニテ》があるのだね。だが、どうしてあれほ....
「S夫人への手紙」より 著者:岸田国士
関するような取材は、もちろん、道徳的にも、法律的にもそれ相当の反応を覚悟のうえで
世に問うべきものですが、たまたま作品中に登場する人物が、ある団体の名を肩書にもつ....
「戦後合格者」より 著者:坂口安吾
共産党ときては、大きな図体をして、その理想のモデルたる部落も工場も設計して真価を
世に問うてみるだけの内容も実力もなかった。前進座という党員を座員に組織された相当....
「可能性の文学」より 著者:織田作之助
負けられぬ対局であったが、坂田にとっても十六年の沈黙の意味と「坂田将棋」の真価を
世に問う、いわば坂田の生涯を賭けた一生一代の対局であった。昭和の大棋戦だと、主催....
「随筆 寄席囃子」より 著者:正岡容
んでいた。そうしてそこの二階のある日の景色もまたそっくりそのまま、私は震災の春、
世に問うた「影絵は踊る」という未熟な長篇小説の中へ写し出している。 このように....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
経営したのは余がまだ松山にいる頃であったと記憶する。居士は初めこれを処女作として
世に問う積りであったらしいが、稿を終えて後ち、かえってこういう意味の事をその書信....
「我が円朝研究」より 著者:正岡容
う。いわゆる欧化時代の横顔《プロヒイル》たる西洋人情噺の諸作については引き続いて
世に問う『圓朝』後半生篇の附録に語ろう。「後開榛名梅ヶ香《おくれざきはるなのうめ....
「翻訳遅疑の説」より 著者:神西清
あろうか。たとえば谷崎潤一郎氏が、氏のぬきさしならぬ文章精神を『文章読本』として
世に問うたとき、現役文壇人の誰が真面目に氏の説を玩味《がんみ》したであろうか。僕....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
序 これは私が大正三年秋二十二歳の時一高を退学してから、主として、二十七歳の時「出家とその弟子」を
世に問うまで、青春の数年間、孤独の間に病を養いつつ、宗教的思索に沈みかつ燃えてい....
「好日」より 著者:三好十郎
もこんなに弱ってるし……その勉強がなんの実を結ばなくても、実は結んでも、そいつを
世に問う事が出来なくても、そいでも俺あ、いいんだ。自分として、腹ごたえの有る気持....
「山の人生」より 著者:柳田国男
である。そのうえに資料の新供給を外部の同情者に仰ぐためにも、一応はこの形をもって
世に問う必要があるのである。なるほどこの本には賛否の意見を学者に求めるだけの、纏....
「「特殊部落研究号」発行の辞」より 著者:喜田貞吉
余輩の発表は、もとより本号載するところを以て尽きたるにあらず、以下号を逐いて続々
世に問うところあるべく、余輩の研究またもとよりこれを以て終りとするにあらず、将来....