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世に立つ
「世に立つ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
世に立つの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
の教えをうけた学問はありながら、勘当された今の身の上では、それを表向きの職として
世に立つことは出来ない。さりとてもう一人前の若い者が、手を袖にして叔父や叔母の厄....
「作物の批評」より 著者:夏目漱石
らぬ。今の評家は後者である。いやしくも評家であって、専門の分岐《ぶんき》せぬ今の
世に立つからには、多様の作家が呈出する答案を検閲するときにあたって、いろいろに立....
「青年」より 著者:森鴎外
も因襲の束縛を受けない目だけをでも持ちたいものだ。今のような事では、芸術家として
世に立つ資格がないと、純一は反省した。五時頃に瀬戸が誘いに来た。 「きょうはお安....
「離婚について」より 著者:与謝野晶子
せようという主義の教育は無粋というよりむしろ惨酷でしょう。令嬢教育|即ち娘として
世に立つ大切な年頃の教育を主として授けず、御門違な人の妻となり母となった後の教育....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
を執り得べき身ならねば、一日も早く資金を造りて、各※《おのおの》長ずる道により、
世に立つこそよけれと悟《さと》りければ、再び両親に向かいて、財産は弟に譲り自分は....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
のれん分けの望みこそ失せても、独自の道は開けている。諸君はこの新時代の新人として
世に立つべく、大いに勇往|邁進すべきである。研究を怠り、また己を鍛えることを忘れ....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
明治八、九年頃は私も既に師匠の手を離れて仏師として一人前とはなっておりましたが、さて、一人前とは申しながら、まだ立派に
世に立つに到ったとはいえない。師匠の家は出たけれども、自分の家から師匠の家に通っ....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
いろいろと工夫し、そうして自分の作をせねばならぬ。それにつけて、将来技術家として
世に立つには少時も心を油断してはならぬ。油断は大敵で、油断をすれば退歩をする。ま....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
事場にして、其所で二年ぶりに手入れをした道具を備え、いよいよ本職の木彫りをもって
世に立つことにしたのであります。 私が、本当に他人の手から離れ、全くの独立で木....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
写真の写の字もいいませんでした。私宅を出る際、初めて自分は写真をもって本職として
世に立つ考えで、写真は多年苦心をしたものであると打ち明けました。この話を聞いた時....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
ても平民階級の中にいた方が、気がおけませんよ。」 男爵は、だから「画家」として
世に立つべく修業し、写生旅行に、この風光明媚の沼岸へやって来たというのであった。....
「郷愁の詩人 与謝蕪村」より 著者:萩原朔太郎
人の死を宇宙に絶叫して悲しみ嘆いた。しかし詩人であるところの芭蕉は、救世主として
世に立つ代りに、万人の悲しみを心にはぐくみ、悲しみの中に詩美を求めて、無限の寂し....
「叔父と甥と」より 著者:岡本綺堂
知するまでもなく皆々来りあつまる。近親の人々もあつまりて回向す。英一は画家として
世に立つべき志あり。ことしの春に中学を卒えたれば、あくる年の春には美術学校の入学....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
は才子や豪傑ほど無用な者はない。これからは品行方正で誠実に勉強する人物でなければ
世に立つ事が出来ん。大原君の如き人物こそ最も望みが多い。僕は公平に考えてお登和さ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
、今朝もまた、 「なによりは、お体を」 と、寄り添いつつ小声で言った。 「……
世に立つ男もですが、女の産むという使命もそら恐ろしいほどたいへんなつとめです。こ....