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世の中
「世の中〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
世の中の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
ろ心細いことばかり言われますな。」
「私が心細いのではない。改名主どものはびこる
世の中が、心細いのです。」
「では、ますます働かれたらいいでしょう。」
「とにか....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
すると思う。』と、云うのです。そこで私がもう一度、『じゃ君は彼等のように、明治の
世の中を神代《かみよ》の昔に返そうと云う子供じみた夢のために、二つとない命を捨て....
「河童」より 著者:芥川竜之介
も落ち着いて返事をしました。
「いえ、あまり憂鬱《ゆううつ》ですから、さかさまに
世の中をながめて見たのです。けれどもやはり同じことですね。」
十一
これは....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
めるようにし、突然僕も忘れていた万葉集《まんようしゅう》の歌をうたい出した。
「
世の中をうしとやさしと思えども飛び立ちかねつ鳥にしあらねば。」
僕は彼の日本語....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
を隠すように、黒繻子《くろじゅす》の襟へ顎《あご》を埋《うず》めた。
「御新造は
世の中にあなた一人が、何よりも大事なんですもの。それを考えて上げなくっちゃ、薄情....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
には敵と変りがない。私はそう云ういろいろの人間のおかげで、したい事の沢山あるこの
世の中と、今の今別れてしまう。ああ、そう云う人間や事情のするなりにさせて置いた私....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
た。これは珍らしいことではない。彼は一月五円の貸間と一食五十銭の弁当とにしみじみ
世の中が厭《いや》になると、必ずこの砂の上へグラスゴオのパイプをふかしに来る。こ....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
ったなり、ペンが何かを動かしている姿は妙に我々には嬉しかったのです。しかしどうも
世の中はうっかり感心も出来ません、二三歩先に立った宿の主人は眼鏡《めがね》越しに....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
れは載せられません。
保吉 そうですか? じゃどこかほかへ載せて貰います。広い
世の中には一つくらい、わたしの主張を容《い》れてくれる婦人雑誌もあるはずですから....
「寒さ」より 著者:芥川竜之介
いなずけ》なる人は公式通りにのぼせ出したようだ。」
「実際そう云う公式がありゃ、
世の中はよっぽど楽になるんだが。」
保吉は長ながと足をのばし、ぼんやり窓の外の....
「猿蟹合戦」より 著者:芥川竜之介
から猿に利益を占められたのを忌々《いまいま》しがっただけではないか? 優勝劣敗の
世の中にこう云う私憤を洩《も》らすとすれば、愚者にあらずんば狂者である。――と云....
「初雪」より 著者:秋田滋
体どうしたッて云うんだい、え?」 そう云う良人は、ほんとうに幸福な人間だった。
世の中にはさまざまな生活があり、さまざまな快楽があるなどと云うことは、夢にも考え....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
たりした。彼はバスを歌った。 キリスト教の宗派はたくさんあるが、そのうちで最も
世の中に知られないのはサンデマン宗であろう。 一七三〇年頃にスコットランドのプ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
れた高い丘に、小さな渓谷、というよりはむしろ窪地というべきところがあるが、そこは
世の中でいちばん静かな場所である。小川が滑るように流れそのせせらぎは人を眠りにい....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
てはこれ以上記されてなかった。 精神病専門の医者たちにこの書きものを見せたら、
世の中には、自分はそれと気付かないでいて、しかもこの残虐な狂人と同じように、巧に....