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世の人
「世の人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
世の人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「野呂松人形」より 著者:芥川竜之介
る。第一、着附の下に、足と云うものがない。口が開《あ》いたり、目が動いたりする後
世の人形に比べれば、格段な相違である。手の指を動かす事はあるが、それも滅多《めっ....
「後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
遺《のこ》したいというのでございます。この一代のわずかの生涯を終ってそのあとは後
世の人にわれわれの名を褒め立ってもらいたいという考え、それはなるほどある意味から....
「奈々子」より 著者:伊藤左千夫
た。それでも燈明《とうみょう》を上げたらという親戚の助言は聞かなかった。まだこの
世の人でないとはどうしても思われないから、燈明を上げるだけは今夜の十二時過ぎから....
「妖術」より 著者:泉鏡花
四 門の下で、後を振返って見た時は、何店へか寄ったか、傍へ外れたか。仲見
世の人通りは雨の朧に、ちらほらとより無かったのに、女の姿は見えなかった。 それ....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
れば、誓を忘れて、狭き池の水をして北陸七道に漲らそうとする。我が自由のためには、
世の人畜の生命など、ものの数ともするものでない。が、約束は違えぬ、誓は破らん――....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
頑として肯ぜざるべし。諸君涙あらば強うるなかれ。いかんとなれば、狂せるお貞は爾来
世の人に良人殺しの面を見られんを恥じて、長くこの暗室内に自らその身を封じたるもの....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
うに見えた。しかもかれらは婚礼の衣裳までも着換えさせようとはしなかった。又、この
世の人間と未知のあの世とを見詰めている、二つの陰鬱な物凄い、鏡のような彼の両眼ま....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
とうに困って了います……。ではホンの話の筋道だけつけて了うことに致しましょう。現
世の人間としては矢張り現世の話に興味を有たるるか存じませぬが、私どもの境涯からは....
「墓」より 著者:秋田滋
しまったのです。 翌日、肺炎を起しまして、それから一週間後には、彼女はもうこの
世の人ではなくなってしまったのです。 断末魔の苦しみがつづいている間は、驚きと....
「初雪」より 著者:秋田滋
た白骨をとどめるのみで、あわれ果敢なく朽ちはてているであろう。 彼女はもうこの
世の人ではあるまい。世のなかの営みは、自分以外の人たちには、昨日となんの変ること....
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
りはむしろそういう方面に大いに注意すべき方面があった。もっともその翻訳などは広く
世の人に購読せられたので、社会教育の方面から見ても西洋思想輸入という立場から見て....
「妖怪学一斑」より 著者:井上円了
かも知れませんが、しかしわれわれの力では到底分かるわけに参りません。しかし、よく
世の人が天気を占うということを申しますが、これとても全くなんらの原因もなくして占....
「妖怪報告」より 著者:井上円了
、時刻を移さずして帰省し、父の病を訪わんとすれば、溘焉としてすでに逝き、また浮き
世の人にあらず。もってひとたびは錯愕、もってひとたびは慟哭、情緒乱れて、またなす....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
。) 氏は同郷にして、その出身の学校も同一なり。その当時の同窓はたいていみな隔
世の人となりたるに、海外において再度相会するは好縁というべし。当夕九時半、リバプ....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
になりました。ですから人間を愛していらっしゃいます。」 産児制限論者は勿論、現
世の人々はこういう言葉に微笑しない訳にはゆかないであろう。人口過剰に苦しんでいる....