世を去る[語句情報] »
世を去る
「世を去る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
世を去るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
中であるという考えをわれわれの生涯に実行して、その生涯を世の中への贈物としてこの
世を去るということであります。その遺物は誰にも遺すことのできる遺物ではないかと思....
「奈々子」より 著者:伊藤左千夫
に奈々子の身には不測《ふそく》の禍《わざわい》があった。そうして父は奈々子がこの
世を去る数時間以前奈々子に別れてしまった。しかも奈々子も父も家におって……。いつ....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
密旨を果たさねば成らぬのですから、ハイ多分は果たし得ずに、何の様な目に逢って此の
世を去るかも知れませぬけれど、固く心に誓って居るのだから致し方が有りません」と云....
「出家とその弟子」より 著者:倉田百三
。信じると。お父上のお心が安まるために。 善鸞 でもわたしは………… 勝信 この
世を去る人の心に平和をあたえてあげてください。 善鸞 (不安そうに)えゝ。 僧三....
「ルバイヤート」より 著者:小川亮作
あったか? 今は、何のために来り住みそして去るのやら わかりもしないで、しぶしぶ
世を去るのだ! 3 自分が来て宇宙になんの益があったか? また行けばとて格別....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
というものだ。そういうお方と同じ場所で、同じ一味の悪者の手で、同時に殺されてこの
世を去る。恋冥加! 怨みはない!」これが桔梗様の心持ちであった。 で少しも取り....
「岩田夫人の死を悼む」より 著者:岸田国士
それはまたそれで、すこしも不自然でない。 いかなる条件の下にあつても、妻が先に
世を去るということは、夫にとつて、たゞ「不憫」という一語以外に、その切ない感情を....
「南極の怪事」より 著者:押川春浪
以後の学者社会に貢献するかを――されどかかる事は云うだけ無益なり、余は今にもこの
世を去るべき身なり、いかにしてもふたたび人間社会に帰るあたわざる身なり、余の乗り....
「棲霞軒雑記」より 著者:上村松園
が、これはラジオ体操以上に体に効くようである。もう四十年もつづいている。私はこの
世を去るまでこの冷水摩擦はつづけるつもりでいる。おかげで風邪の神はご機嫌を悪くし....
「迷信解」より 著者:井上円了
命中金銭をおしまず、高価の衣服を求めてこれに与えしも、いまだ結婚するに至らずして
世を去ることになりたれば、近隣の主婦が、ふと欲心を起こし、その衣服を己の所有とせ....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
たしかに一個の勇者と言わなければならない。その後十六年、明治四十四年十一月にこの
世を去るまで、かれの生涯は実に奮闘の歴史であった。 そうは言いながらも、わたし....
「叔父と甥と」より 著者:岡本綺堂
まりも病み臥して、秋|闌ならんとする頃に遂に空しくなりぬ。今更ならねど、若き者の
世を去るは一入悲しきが常なり。殊に姉の児とはいいながら、七歳の頃よりわが手許にあ....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
の父時政は平氏であって、頼朝のいる間はその器量に恐れ、これを立てていたが、頼朝が
世を去るとやがて勢力の拡張にとりかかった。最初に肉親の孫頼家を将軍職から追って、....
「耳香水」より 著者:大倉燁子
。それも一度ではありません。それまで夫人と私は一面識もなかったのです。それがこの
世を去る間際になって、つづけざまに、二度も三度も見るなんて――、全く不思議じゃあ....
「情鬼」より 著者:大倉燁子
、遺骨を前にして宮本夫人が語った話はこうだ。 「私と小田切さんとの関係は彼がこの
世を去る最後の日までずっと続いていたのでした。世間では疾うの昔、二人の縁は断れた....