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世を挙げて
「世を挙げて〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
世を挙げての前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
。あッし共は力技の稽古しているんじゃねえ。喧嘩しているんですぜ」 「心得ておる。
世を挙げて滔々と遊惰にふける折柄、喧嘩を致すとは天晴れな心掛けと申すのじゃ。もそ....
「非人道的な講和条件」より 著者:与謝野晶子
思料の外に抛擲してしまいます。 昔から便宜主義に反対する者は学者と芸術家です。
世を挙げて目前の利害を追うに急であっても、せめて学者と芸術家だけは便宜主義の習慣....
「アド・バルーン」より 著者:織田作之助
度まで新聞に書かれたためか、私はたちまち町の人気者みたいになってしまった。何しろ
世を挙げて宣伝の時代、ある大きな酒場では私をボーイに雇いたいと言ってきました。う....
「決闘」より 著者:神西清
っちまって……。で、まああんな馬鹿げたところをお目にかけてしまいました。なにせ一
世を挙げての神経病時代で、致し方もないわけです。」 夜食になると彼は葡萄酒をや....
「序に代えて人生観上の自然主義を論ず」より 著者:島村抱月
る人々も、皆私と似たり寄ったりの辺にいるのではないかと猜せられる。もしそうなら、
世を挙げて懺悔の時代なのかも知れぬ。虚偽を去り矯飾を忘れて、痛切に自家の現状を見....
「我が円朝研究」より 著者:正岡容
は幽霊の存在肯定説を簡単に披瀝している。前掲綺堂先生の随筆にも見らるる通り何しろ
世を挙げての欧化時代、その真っ只中で怪談噺で一世に覇を唱えた彼圓朝である。まくら....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
島田沼南は大政治家として葬られた。清廉潔白百年|稀に見る君子人として
世を挙げて哀悼された。棺を蓋うて定まる批評は燦爛たる勲章よりもヨリ以上に沼南の一....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
の大臣の夫人が紅毛碧眼の子を産んだという浮説さえ生じた。 何の事はない、一時は
世を挙げて欧化の魔術にヒプノタイズされてしまった。が、暫らくして踊り草臥れて漸く....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
する鑑識の極めて狭小薄弱なる一度《ひとた》び新来の珍奇に逢著《ほうちゃく》すれば
世を挙げて靡然《びぜん》としてこれに赴《おもむ》き、また自己本来の特徴を顧みるの....
「旗岡巡査」より 著者:吉川英治
果てなされたのであるぞ。――将軍家をはじめ天下万民、いかなることになり行くかと、
世を挙げて憂い愁しみ、御国の悩みを身の悩みとしておる際に――青楼で歌を謡うとは何....