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「世を捨てる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

世を捨てるの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
柿の種」より 著者:寺田寅彦
いう話を聞きながら、私はふと、出家|遁世の人の心を想いみた。 生命のある限り、世を捨てるということは、とてもできそうに思われない。(大正九年十一月、渋柿) ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
お方はお前様のために廓《くるわ》へ身を沈めて、慣れぬ苦界《くがい》の勤めからこの世を捨てる気になったのでございましょう、それが死んで行く時まで、あなた様のことを....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
とこから、どうお聞き違いしても、お前さんは四十以上の女ではない、四十といえば女が世を捨てるにはまだ早い、それに声もよし、品も相当備わっておいでだし、ことに、いま....
源氏物語」より 著者:紫式部
今競って出家は実現するに及ばないことだということは自分にもできる。不幸な時にこの世を捨てることをするのは見苦しいものである。自然に悟りができてくる時節を待って、....
源氏物語」より 著者:紫式部
ものと悟っているのであるから、寂しいからといって、恋愛などをしては、かえってこの世を捨てる際の妨げになるであろうということを知っていて、保護者との関係の煩瑣な女....
風と光と二十の私と」より 著者:坂口安吾
分の卑しさを嘆いたものであった。私は一向希望に燃えていなかった。私のあこがれは「世を捨てる」という形態の上にあったので、そして内心は世を捨てることが不安であり、....
三十歳」より 著者:坂口安吾
女と別れること、むしろ逃げることばかり考えていた。そのくせ、このまま、身を捨て、世を捨てる、なぜそれが出来ないのかとも考えた。 私はたぶん、あのころは、何のた....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
場合に、女兵隊が何物になるか。鬼神となってセンメツの斧をふるうか。仏門にはいって世を捨てるか。その他の何物になって何事をやるか。史上に前例もないし、これほどの大....
ろくろ首」より 著者:小泉八雲
のために立身出世を求めようとは思わず、また以前の主人に心が残っていたので、彼は浮世を捨てる事にした。そして剃髪して僧となり――囘龍と名のって――諸国行脚に出かけ....