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世事
「世事〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
世事の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「野呂松人形」より 著者:芥川竜之介
と云う事は、その日になって、Kの説明を聞くまでは、僕もよく知らなかった。その後、
世事談《せじだん》を見ると、のろまは「江戸|和泉太夫《いずみだゆう》、芝居に野呂....
「或る女」より 著者:有島武郎
っと考えるともなく考えた。
それにしても、新しい教育を受け、新しい思想を好み、
世事にうといだけに、世の中の習俗からも飛び離れて自由でありげに見える古藤さえが、....
「或る女」より 著者:有島武郎
少しもなかった。また故意にそうするらしい様子も見えなかった。少し鈍と思われるほど
世事《せじ》にうとく、事物のほんとうの姿を見て取る方法に暗いながら、まっ正直に悪....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
いの新聞を買った。そしてビルのフルーツパーラーへはいって片っ端から読んで行った。
世事にうとい豹一は村口多鶴子に関しては全く無知といって良かった。その名前も編輯長....
「鮨」より 著者:岡本かの子
それから先をどうするかは、全く茫然としていた。 無邪気に育てられ、表面だけだが
世事に通じ、軽快でそして孤独的なものを持っている。これがともよの性格だった。こう....
「死者の書」より 著者:折口信夫
言うものの、世間どおりにはいかぬ事が訣って居た。乳母に相談かけても、一代そう言う
世事に与った事のない此人は、そんな問題には、詮ない唯の女性に過ぎなかった。 先刻....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
も十時頃だったと思うが、物干から下りて、十分許り池の畔で彼女に遇った。然し、幾ら
世事に迂遠な僕でも、密会に均しい場所で誰が莨なんぞ喫うもんか! 以上君の質問にお....
「風波」より 著者:井上紅梅
いた。毎朝一度|魯鎮から城へ行って夕方になって帰って来た。そういうわけでなかなか
世事に通じていた。たとえばどこそこでは雷公が蜈蚣のお化けを劈き殺した。どこそこで....
「雪霊記事」より 著者:泉鏡花
、前後左右に、高く深く貫くのでありまして、汽車は雲の上を馳ります。 間の宿で、
世事の用はいささかもなかったのでありますが、可懐の余り、途中で武生へ立寄りました....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
昏れるので、そろそろ蚊遣で逐出を懸けたまえば、図々しいような、世馴れないような、
世事に疎いような、また馬鹿律義でもあるような、腰を据えた青年もさすがにそれと推し....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
時の芝居道において殆んど絶無ともいうべきほどの無欲、温厚、篤実の好人物で、一切の
世事にうとく、金の値さえもよくは知らなかったということであるから、褒めていえば名....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
する。政治家や実業家には得てこういう人を外らさない共通の如才なさがあるものだが、
世事に馴れない青年や先輩の恩顧に渇する不遇者は感激して忽ち腹心の門下や昵近の知友....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ベットでサラット・チャンドラ・ダース師のインド人であるということを知って居るのは
世事通の人だけで、普通の人はみな英国人だと言うて居るです。とにかくヤムド・ツォ湖....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
花をたずね、秋来たれば窓間に風月を弄し、その心つねに真理を友とし、その口みだりに
世事を談ぜずといえども、あえて国家のために思うところなきにあらず。一変一動に際会....
「松の操美人の生埋」より 著者:宇田川文海
にして、学識|両ら秀で尤も説教に長ぜりと。君一日浴後居士の室に至る、茶を煮て共に
世事を談ず。君|広長舌を掉い無碍弁を恣にして頻に居士の耳を駭かす。談偶文章と演説....