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「世情〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

世情の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
時だけである。 池大雅 「大雅《たいが》は余程|呑気《のんき》な人で、世情に疎かった事は、其室|玉瀾《ぎょくらん》を迎えた時に夫婦の交りを知らなかった....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
した彼らは確かに愚かであった。 十月七日 ◯あまり日記を書く気持も起こらない。世情は滔々と移り変わりつつあり。 目下|幣原内閣陣痛中なり。(十月九日内閣成立....
食魔」より 著者:岡本かの子
分になまじい物質的な利得ばかりを与えながら昔日の尊敬を忘れ去り、学商呼ばわりする世情を、気狂いのようになって悲憤慷慨することもある。そんな不平の反動も混って蛍雪....
もの思う葦」より 著者:太宰治
なかなか正当に評価せられざるに反し、俗中の俗、夏目漱石の全集、いよいよ華やかなる世情、涙出ずるほどくやしく思い、参考のノートや本を調べたけれども、「僕輩」の気折....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
見せるのだった。 浪路は、この※《ろう》たける、しとやかな優人《わざおぎ》と、世情にうとく、色黒な小柄な貴人とを思い比べて見ることさえ、苦しく、やるせなく、心....
俳諧の本質的概論」より 著者:寺田寅彦
心とはまさしくこの三つのものを具備した点で心敬の理想を如実に実現したものである。世情を究め物情に徹せずしていたずらに十七字をもてあそんでも芭蕉の域に達するのは困....
現代科学教育論」より 著者:戸坂潤
の秀才も、二十年も経つと多くはどこかの県庁の部長などにおさまっているというような世情を参照すべきだ。問題は科学的精神である。横好きではなくて理解から来る科学への....
ジロリの女」より 著者:坂口安吾
の男、四十歳、多少の分別はありますよ。失礼ながら温室育ちの奥さんに比べりゃ、数等世情に通じているからこそ、見るに見かねて、いえ、やむにやまれぬオセッカイ。ほんと....
新女大学」より 著者:福沢諭吉
引入れ、一家妻妾群居の支那流を演ずるが如き狂乱の振舞もあらば之を如何せん。従前の世情に従えば唯黙して其狂乱に屈伏するか、然らざれば身を引て自から離縁せらるゝの外....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
自らこれに当らなくてはなりません。また支配人や番頭任せにしてならないばかりでなく世情に疎い妻女や伜等の感情や私見に左右されることのないよう、大いに警戒すべきであ....
書記官」より 著者:川上眉山
いにも来てはくれず、この間の産の祝いも、忘れた時分にようやくよこすような仕儀と、世情に疎き綱雄の非は、それからそれと限りもなく数えられぬ。 堪えかねて光代はひ....
中元祝酒の記」より 著者:福沢諭吉
由を得るものといわざるべけんや。 然《しから》ばすなわち我が輩の所業、その形は世情と相反するに似たりといえども、その実はともに天道の法則にしたがいて天賦の才力....
日本男子論」より 著者:福沢諭吉
めに節を守りて義を全うしたるの例は、我輩の未だ聞かざる所なり。 窃《ひそ》かに世情を視《み》るに、近来は政治の議論|漸《ようや》く喧《かまびす》しくして、社会....
」より 著者:神西清
い仕事が、君一人の手にあることを許すわけには行かないのだ。君は女性だ、無経験で、世情にうとく、あまりにも信じやすく感激しやすい。君はぜんぜんみず知らず同様の輔佐....
ワーニャ伯父さん」より 著者:神西清
るものですから、実生活のほうには、これまでずっと疎かったわけです。そこでこの際、世情に通じておられる皆様の知恵を拝借せずには、とても切り抜けることができないので....