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「世知〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

世知の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
道草」より 著者:夏目漱石
《よ》く承知していますから」 なるほど彼の卒業した時代に比べると、世間は十倍も世知《せち》辛《がら》くなっていた。しかしそれは衣食住に関する物質的の問題に過ぎ....
如是我聞」より 著者:太宰治
ぬ自分を、自慢にさえしているようだ。そんな芸術家があるだろうか。知っているものは世知だけで、思想もなにもチンプンカンプン。開いた口がふさがらぬとはこのことである....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
資本家は、紡績にも、機械にも、製粉にも、搾油にも、製糖にもこの方法を用いていた。世知辛い行きつまった内地で儲けられない埋め合せはここでつけた。 工人達の窮乏は....
白くれない」より 著者:夢野久作
すらに打泣く妾をいたはり止めつ。今より思へば殺し参ゐらせたらむやも計り難けれど、世知らぬ乙女心のおぞましさに其時は夢更心付き候はず。これはこれ切支丹の煙草|唖妣....
駅夫日記」より 著者:白柳秀湖
在自分たちは朝から晩までこんな苦しい労働をしてもなぜ浮ぶ瀬がないのか、なぜこんな世知辛い社会になったのか、また自分たちと社会とはどういう関係になっているのかとい....
深川女房」より 著者:小栗風葉
あるようなことを考えてるなら、それこそ大間違い! 妾手掛けなら知らないこと、この世知辛い世に顔や縹致で女房を貰う者は、唐天竺にだってありはしない。縹致よりは支度....
幼き頃の想い出」より 著者:上村松園
ある絵本類がそのように容易く、今日の古雑誌を購うのと同様に買い取れたかと思うと、世知辛くなかったその時代のことが一層懐かしまれるではありませんか。....