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「世紀末〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

世紀末の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
、彼等の憎悪を、彼等の虚栄心を知る為には本を読むより外はなかった。本を、――殊に世紀末の欧羅巴《ヨーロッパ》の産んだ小説や戯曲を。彼はその冷たい光の中にやっと彼....
路上」より 著者:芥川竜之介
だ冷静なものだった。同時にまた縞の背広に地味な襟飾《ネクタイ》をした彼の服装も、世紀末《せいきまつ》の芸術家の名前を列挙するのが、不思議なほど、素朴に出来上って....
省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
の心臓を美事に射ち貫くことは、実に容易ならぬ技量である。だがこの悪意ある射撃は、世紀末的な廃頽せる現代に於て、なんと似合わしいデカダン・スポーツではあるまいか。....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
に当り、二条の張出間に挾まれていて、二つある硝子窓はそれだけが他とは異なり、十八世紀末期の二段上下式になっている。また、室内も北方ゴート風の玄武岩で畳み上げた積....
近時政論考」より 著者:陸羯南
ては一層深遠なりき。何となれば彼らは、事実の上に論拠を置くことをなさず、西洋十八世紀末の法理論を祖述し多く哲学理想を含蓄したればなり。中江氏らのおもに崇奉せしは....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
居でも、怪奇なものはますます怪奇に、繊細なものはますます繊細だ。とがった神経質と世紀末の機知とが淫靡で頽廃した色彩に混じ合っている。 この江戸出府のはじめのこ....
ルバイヤート」より 著者:小川亮作
ィツジェラルドの死後『ルバイヤート』はますます広く読まれるにいたった。ことに十九世紀末から今世紀の初めにかけてオマル・ハイヤーム熱は一種の流行となって英米を風靡....
宝島」より 著者:佐々木直次郎
二 「ベンボー提督屋」。 ――ジョン・ベンボー(一六五三―一七〇二)という十七世紀末のイギリスの有名な提督の名を屋号にし、その肖像を看板にしている宿屋である。....
佐藤春夫氏の事」より 著者:芥川竜之介
藤の一身、詩仏と詩魔とを併せ蔵すと云うも可なり。 四、佐藤の詩情は最も世に云う世紀末の詩情に近きが如し。繊婉にしてよく幽渺たる趣を兼ぬ。「田園の憂欝」の如き、....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
民族の滅びざるかぎり、不朽の古典なのであるから……。 この物語が、おそらく十二世紀末に編まれたであろうということは、篇中に天主教の弥撒などがあり、それが一貫し....
チェーホフの短篇に就いて」より 著者:神西清
の主題とは、言うまでもなく、画家が妹娘によせる淡い恋心、および画家の内心に巣くう世紀末インテリ的な焦燥である。 もう一つ序でに、『犬を連れた奥さん』を分析して....
イプセン百年祭講演」より 著者:久保栄
ィング夫人の悲劇相に置き、山本安英君扮するところのアルウィングをめぐるいくつかの世紀末的な人間の型を表出することにつとめられるそうであります。言うならば、十九世....
噴水物語」より 著者:岡本かの子
のです。この間の恍惚の痺れ。これを何に譬えたらいいでしょうか。幻想を起さす為めに世紀末のフランスの廃頽詩人たちが喫んだアッシという土人の煙草なぞはおよそ不健康な....
「にんじん」とルナアルについて」より 著者:岸田国士
、平凡な日常の人生に暗示の花びらを撒きちらした。 作家としてのルナアルを、十九世紀末葉のフランス文壇で特異な存在としたのは、なによりも、彼の犀利無比ともいうべ....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
リードリヒ大王の時代よりナポレオンの時代へ 1、持久戦争より決戦戦争へ 十八世紀末軍事界の趨勢。 七年戦争後のフリードリヒ大王の軍事思想はますます機動主義....