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「世話場〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

世話場の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
国貞えがく」より 著者:泉鏡花
匂《におい》が立って、家中《うちじゅう》仏壇の薫《かおり》がした。 「呀《や》!世話場《せわば》だね、どうなすった、父《とっ》さん。お祖母《としより》は、何処《....
婦系図」より 著者:泉鏡花
も貴下、草深と云って、名も情ないじゃありませんか。場末の小屋がけ芝居に、お飯炊の世話場ばかり勤めます、おやまですわ。」 と菫色の手巾で、口許を蔽うて笑ったが、....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
、運のわるい姉弟はその夜を泣き明かしました。芝居ならば、どうしてもチョボ入りの大世話場というところです。 二 それだけで済めば、姉弟の不運は寧ろ....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
中の振事を見せるのであった。わたしは二幕目の金助の家を書いた。ここはチョボ入りの世話場であった。採菊翁は最後の四幕目を書く筈であったが、半途で病気のために筆を執....
松と藤芸妓の替紋」より 著者:三遊亭円朝
、私ア聞いて居てぽろりと来ました、いやこれは誰でもポロときますよ、私はね芝居でも世話場でちょっと此様な子役の出る芝居へ往って見物していると、子役が出て母様という....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
長や春章とちがって、大どころでなければ納まって行けないという女房と違い、ずいぶん世話場も見せながら、亭主にはつらい色も見せず、和《やわ》らかになぐさめて、しっく....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
そんなようなものが眼に触れると、北原はなんだか、ここで今まで、おとわ稲川もどきの世話場が、演ぜられていたような気配も想像されないではありません。 なんとなく、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
さそうな、転寝《うたたね》の竜之助を見て、なぐさめの言葉をかけました。 「こんな世話場も、面白いものだ」 「ほんとうに、思いがけない世話場を出してしまいました、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
く覚えていらっしゃい。あなたという人も、このごろは相応院の離れ座敷で、お安くない世話場を見せていらっしゃるんですってね、相手はお雪ちゃんといって――知っています....
つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
にうつむいて、火鉢の灰をかきならしている。貧乏世帯を苦にせず病夫にかしずいている世話場の呼吸《いき》だ。おくれ毛が二、三本、艶に悩ましい気色である。 たそがれ....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
まれてから初めて新富座の芝居を観た。そのときの二番目は「人間万事金世中」で、この世話場へ出る可憐な辻占売の少年がわたしの眼についた。自分も子供であったので、この....