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世話焼
「世話焼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
世話焼の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
が、車に今日の料理を積せて曳込《ひきこ》んで来た頃には、羽織袴《はおりはかま》の
世話焼が、そっち行き此方《こっち》いきして、家中が急に色めき立って来た。その中に....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
夜は小間物屋の二階で型ばかりの法事を営むことになって、兄弟子の紋七は昼間からその
世話焼きに来ていた。涙のまだ乾かないお浜は、母と共に襷がけで働いていると、その店....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
のであった。しかし此の三人の女のほかに、楽屋には他の踊り子たちもいた。手つだいや
世話焼きの者共も大勢押し合っていた。そのなかでおていは何処へ隠されたのであろう。....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
になるまで独身でいる。こゝへ世話をしたら双方の都合もよかろうと、わたくしが例のお
世話焼きでこっちへも勧め、あっちをも説きつけて、この縁談は好い塩配にまとまりまし....
「学生時代」より 著者:幸田露伴
、先生を輔佐して塾中の雑事を整理して諸種の便宜を生徒等に受けさせる塾監みたような
世話焼が二三人――それは即ち塾生中の先輩でして、そして別に先生から後輩の世話役を....
「爛」より 著者:徳田秋声
増はまた起って、奥の方へ行った。浅井は明朝結納を持って行くことになっている、その
世話焼きの男と、前祝いに酒を飲んでいた。結婚の調度の並んだ、明るい部屋のなかには....
「雁坂越」より 著者:幸田露伴
八九のどこと無く嫌味な女であった。 源三は一向|頓着無く、 「何云ってるんだ、
世話焼め。」 と口の中で云い棄てて、またさっさと行き過ぎようとする。圃の中からは....
「わがまま」より 著者:伊藤野枝
る程強く握り合った。改札口に近く、まき子の後姿が見えた。傍には世話になった先生や
世話焼き役の田中の小父さん等が一緒にいた。小父さんは登志子の顔を見ると昼の汽車に....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
と弥次とは思い思い。 屋台の上の囃子は鍔江流《つばえりゅう》。 この練込みの
世話焼に、一種異様な人物が飛び廻っている―― 「さあ、しっかりやってくんな、何で....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
てめえ》という奴は、てんからムクとは育ちが違っていやがらあ」 米友は思わずこの
世話焼かせ者の、恩知らずの動物に、浩歎《こうたん》の叫びを発しました。 事実、....
「平造とお鶴」より 著者:岡本綺堂
洋服を着ていることもある。」 この時代には、洋服もひとつの問題であった。あるお
世話焼きがおすま親子にむかって、それとなく探りを入れると、母も娘もふだんから淑ま....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
む、そのような噂も聞いた」と、権六は気のないようにいった。「あの伯母御もよくよく
世話焼きじゃと見えて、何の彼の小煩いことじゃ。白粉嫌いの殿様が面倒な女房などを滅....
「曲亭馬琴」より 著者:邦枝完二
。時々は芋が煮えた、目刺が焼けたと、気はこゝろの少しばかりでも、持って来てくれる
世話焼は二人や三人ないでもなかった。 寺子屋机の前に、袴も取らずに坐っていた馬....
「挿話」より 著者:徳田秋声
絹ちゃんが借りてやっているわけだね」 「ここのお神さんはおひろちゃんですよ。私は
世話焼きに来ているだけなんです。いつまでこんなこともしていられないんです。働ける....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
のことは一つもなかった。タテ師として、三枚目として、愛嬌ものとして、古参として、
世話焼として、三羽烏の一人として、飲んだくれとして、たゞそれだけの存在として、由....