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世路
「世路〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
世路の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「丹下左膳」より 著者:林不忘
長屋ばかりでなく、遠く聞き伝えてあちこちから、思いあぐんだ苦しみや、途方にくれた
世路|艱難《かんなん》の十字路、右せんか左せんかに迷って、とんがり長屋の王様泰軒....
「『静かなる愛』と『諸国の天女』」より 著者:宮本百合子
るたびに電車からのび上るのは何のためか 呻きのように母の思いのなり響く「秋」
世路の荒さを肌に感じさせる「南風の烈しき日」 ひとりをかみしめて食む 夕食と涙....
「婦人と文学」より 著者:宮本百合子
い」と創作ノートにかかれている。「放浪記」にあった自然発生の一種の揮発性の匂いは
世路の向上の間にぬけた。いつか富裕な数奇をこのむ生活雰囲気へ順応し、今はこの作者....
「今日の耳目」より 著者:宮本百合子
見ても借家ではないその家がそこに四辺を圧して建てられていることに、云わばその家の
世路での来歴というようなものも察しられる感じなのである。 何年もその家はそこに....
「連環記」より 著者:幸田露伴
これも因縁|成熟して其処に至ったのだと云えば、それまでであるが、保胤が長年の間、
世路に彷徨して、道心の帰趨を抑えた後に、漸く暮年になって世を遁れ、仏に入ったとは....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
日 嶺麓 大藤村有志」 さては奇特の人ありけり、これもこれ艱《なや》み多き
世路をすくわん菩提心の一つ、暫く御報謝にありつかんと、与八は戸を押してみると、容....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
知して貰いたい。君はまだ親しくもない間柄ではあるが、僕よりは年上のことでもあり、
世路の種々の艱難も経て来てい、ある点ではかえって僕よりも確かなところがある。保子....
「序に代えて人生観上の自然主義を論ず」より 著者:島村抱月
ない境遇にいて、それから学窓の三四年が思いきった貧書生、学窓を出てからが生活難と
世路難という順序であるから、切に人生を想う機縁のない生涯でもない。しかもなおこれ....
「赤げっと 支那あちこち」より 著者:国枝史郎
て了ったよ。 と、此の辺で話題を変えよう。 さて僕達は野村氏に率いられて第七
世路の角にある大世界という所へ這入った。此処は謂って見れば東京に於ける浅草の花屋....
「新撰組」より 著者:服部之総
制度にたいする言路壅蔽《げんろようへい》にたいする、外夷跳梁にたいする、物価暴騰
世路困難にたいする、それぞれのうつぼつたる社会的不満を、ひとしく「尊攘」の合言葉....
「三国志」より 著者:吉川英治
で安全な方向を選ばれたかのように思われたが、以後の運命は、兄の瑾と相反していた。
世路の波瀾は、はやくも少年孔明を鍛えるべく、試すべくあらゆる形で襲ってきた。 「....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ちどは、水分の御門をたたいたこともございますが、正成殿にはお会いかなわず、空しく
世路を浪々しておるうち、日野朝臣のお口ききにて、今は石川の散所ノ太夫義辰殿の許に....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
も一定された今では、かつての如き、土地の斬り取り強盗もできないところから、自然、
世路に充満していて、叡山みたいな法城にすら、ずいぶんその堂衆中には、この類の浪人....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ちていたのだ。六角を力とたのみ、伊吹の城を救いの城と見たなどは、あやまりだった。
世路のけわしさを知ってないこの仲時の不覚だった。罪のすべてはわしにある。わしは部....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
世を去り、離散して果てたが、お袖はかえって人の手に病も癒え、その代り、身は転々と
世路のつらさを舐めて、早くから水茶屋の茶汲み女に売られたりした。 十七。かの女....