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世間体
「世間体〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
世間体の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
高台は皆山林でその間の柵が畑になって居る。越石《こしこく》を持っていると云えば、
世間体はよいけど、手間ばかり掛って割に合わないといつも母が言ってる畑だ。 三方....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
を働いている奴にも似あわず、おそろしくかいがいしい女で、働くにはよく働くんです。
世間体をごまかす為ばかりでなく、まったく服装《なり》にも振りにも構わずに働いて、....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、お半との関係を云い立てて、駿河屋から幾らかの涙金を取ろうとする。番頭の吉兵衛も
世間体をかんがえて、結局幾らかやろうと云い出したんですが、信次郎がどうしても承知....
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
入った。「引掴んじゃ不可い、そっとそっと。」これが鶯か、かなりやだと、伝統的にも
世間体にも、それ鳥籠をと、内にはないから買いに出る処だけれど、対手が、のりを舐め....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
いんでございますから、先生さえ、お見免し下さいますれば、私の外聞や、そんな事は。
世間体なんぞ。」と半云って唾が乾く。 「いや、不可ん、許しやしないよ。」 「そう....
「転機」より 著者:伊藤野枝
その曲解をいい解くすべもすべての疑念を去らせる方法も知っていた。しかし、すべては
世間体を取り繕う、利巧な人間の用いるポリシイとして、知っているまでだ。私はたとえ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
の夫人の親里から、叔母の家へ使が来て、娘御は何も唄なんか御存じないそうで、ええ、
世間体がございますから以来は、と苦り切って帰りました。 勿論病気でも何でもなか....
「女客」より 著者:泉鏡花
一ツ売り二つ売り、一日だてに、段々煙は細くなるし、もう二人が消えるばかりだから、
世間体さえ構わないなら、身体一ツないものにして、貴下を自由にしてあげたい、としょ....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
医師のうちの、書生兼小使、と云うが、それほどの用には立つまい、ただ大食いの食客。
世間体にも、容体にも、痩せても袴とある処を、毎々薄汚れた縞の前垂を〆めていたのは....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
三 何、別に仔細はない。客引に使った中年増でもなければ、手軽な妾が
世間体を繕っているのでもない。お伽堂というのは、この女房の名の、おときをちょっと....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
で可い。ちっとは負債が返せるのだ。 しかし、これはお前には出来ぬこッた。お前は
世間体というものを知ってるから、平生、吾が健全な時でも、そんな事は※にも出さない....
「米」より 著者:犬田卯
位のことは言った。が、一言の下に圧倒されてしまうのだった。 「畜生。」 第一、
世間体が恥しかった。出来ることなら彼女は、今度こそはなんとか処置したかった。 ....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
馬のように向う見ずに働いて働いて働き抜くのである。病気ということも知らなければ、
世間体ということも知らない。何ものかに憑かれたように、ないしは悪魔のように働く。....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
向うへ立ったって、なぜ、打たれそうな気がしたりなんかするんです。――それはきっと
世間体で、妹や、その親類の、有象無象に冷くっては人に済まない、と思うからでしょう....
「和製椿姫」より 著者:大倉燁子
したのではないかとさえ疑えるのだった。 「それで、ですな」と彼は言葉をついで、「
世間体もある事ですから、医者に頼んで神経衰弱という事にしてあるんですよ。まさか、....