世間見ず[語句情報] »
世間見ず
「世間見ず〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
世間見ずの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
ね》エする」
富「其処《そこ》を申します、其処が旦那様のお為を思う処、旦那様は
世間見ずの方、江戸へも余り入らしった事もない、殊《こと》にはあなた様は其の通り田....
「無名作家の日記」より 著者:菊池寛
を当てにして、すぐにも華々しい初舞台《デビュー》ができるように思っている佐竹君の
世間見ずが、俺は少し気の毒になった。実際、本当のことをいえば、文壇でもずぼらとし....
「新生」より 著者:島崎藤村
が悉《ことごと》く幻のように消え果てたとはどうして知ろう、と彼は想って見た。まだ
世間見ずの捨吉には凡《すべ》てが心に驚かれることばかりであった。今々この世の中へ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
して、今まで長年《ちょうねん》しているのであった。ことし十八で、いわゆる山出しの
世間見ずではあるが、正直一方に働くのを取得《とりえ》に、主人夫婦にも目をかけられ....
「縮図」より 著者:徳田秋声
んなの。」 「僕を信用しないのかな。」 倉持は頭を掻き、話はそれぎりになった。
世間見ずの銀子もお神がそれとなく暗示する通り、身分の不釣合ということを考えないわ....
「解かれた象」より 著者:寺田寅彦
狂気でもなんでもなかったのである。至極お心よしの純良な性質であった。ただあまりに
世間見ずのわがままなおぼっちゃんの象であった。それでこの見知らぬ国へ連れられて来....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
来奉公を致し、他に行く処もないからきんや家を貸せと仰しゃった訳でもございません、
世間見ずで入っしゃいますから人の目褄に掛ってはなりませんと私がお招び申したのが初....
「転機」より 著者:伊藤野枝
った。 しかし私は彼からも、何ものをも受取ることができなかった。彼もまた、私の
世間見ずな幼稚な感激が、きっと取り上げる何の価値もないものとして忘れ去ったのであ....
「イデオロギーの論理学」より 著者:戸坂潤
移ではなくして、正に歴史的進歩を以て解くことが出来ると思うことは、今ではもはや、
世間見ずらしい無知の一つに数えることが出来るであろう。吾々は併し一定の根拠を示さ....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
で切ったんじゃないか。」 「ねえ……鬱いでいましたとさ、お稲ちゃんは、初心だし、
世間見ずだから、口へ出しては何にも言わなかったそうだけれど……段々、御飯が少くな....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
。これも間違いだ、おかしなことだ、と彼は思っている。ところが未荘の人はまったくの
世間見ずで笑うべき田舎者だ。彼等は城内の煮魚さえ見たことがない。 阿Qは「以前....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
デビーに手紙を送ったときには、商売は利己的のもので嫌だと言った。デビーは、それは
世間見ずの若い考で、数年も経つとその非をさとるだろうと言った。 幾年か後に、ク....
「支那の狸汁」より 著者:佐藤垢石
たへ生えたなり、上へばかり伸び上がって、風を喰うのがしょうばいで、なにも知らない
世間見ずと一緒にされてたまるかい。 おいおい、無理するなよ。無理をすると、貴公....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
有繋に露西亜有数の人物だけに興味も識見も頗る広く、日本の文人のような文学一天張の
世間見ずではなかった。随って思想上に契合するものがあってもなくても、毎日々々諸方....