両三[語句情報] » 両三

「両三〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

両三の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
な山々の頂《いただき》があった。そうしてそのまた山々の空には、時々|鷺《さぎ》が両三羽、眩《まばゆ》く翼を閃《ひらめ》かせながら、斜《ななめ》に渡って行く影が見....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
と燃えたる影に、頬被《ほおかぶ》りせる男の顔は赤く顕《あら》われぬ。黒き影法師も両三箇《ふたつみつ》そのかたわらに見えたりき。因果娘は偸視《すかしみ》て、 「お....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
た家を、故郷に打っ開けて、村中の面を見返すと申して、估券潰れの古家を買いまして、両三年|前から、その伜の学士先生の嫁御、近頃で申す若夫人と、二人で引き籠もってお....
古狢」より 著者:泉鏡花
旅客でも構わない。 が、私のこの旅客は、実は久しぶりの帰省者であった。以前にも両三度聞いた――渠の帰省談の中の同伴は、その容色よしの従姉なのであるが、従妹はあ....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
を見るともなく、熟と暮れかかる向側の屋根を視めて、其家の門口に彳んだ姿を、松崎は両三度、通りがかりに見た事がある。 面影は、その時の見覚えで。 出窓の硝子越....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
。が、夏の夜は短うて、最早や十時。この汽車は大船が乗換えでありましての、もっとも両三度は存じております。鎌倉、横須賀は、勤めにも参った事です―― 時に、乗込み....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
、お目に掛ったのは震災ずっと前でござんすもの。こっちは、商売、慾張ってますから、両三度だけれど覚えていますわ。お分りにならない筈……」 と無雑作な中腰で、廊下....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
裸身の女は消えて、一羽の大蝙蝠となりましてございまする。 例のごとくふわふわと両三度土間の隅々を縫いましたが、いきなり俯けになっているお雪の顔へ、顔を押当て、....
星女郎」より 著者:泉鏡花
と立つ―― 見たものは命がない。 さあ、その風説が立ちますと、それからこっち両三年、悪いと言うのを強いて越して、麓へ下りて煩うのもあれば、中には全く死んだも....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
君をはじめ、一|同はしきりに舟子達を励まして、暴れ狂う風浪と闘いましたが、やがて両三|人は浪に呑まれ、残余は力つきて船底に倒れ、船はいつ覆るか判らなくなりました....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
世界で一番後一番後※しになった日本国でも、最早その傾向が顕著になった。慾にはここ両三年の努力で、日本をして、この運動のトップを切らせたいものである。 『指導霊の....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
わ、それ蕎麦だ……などと申すわけで、そうでもないのに、何かと物騒、は、は、は。」両三度、津山の笑いは、ここで笑うのにあらかじめ用意をしたらしいほど、式のごとく、....
夫人利生記」より 著者:泉鏡花
――樹島の事をここに記して―― 筆者は、無憂樹、峰茶屋心中、なお夫人堂など、両三度、摩耶夫人の御像を写そうとした。いままた繰返しながら、その面影の影らしい影....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
と、弥吉はうろうろする内に、お縫は裾を打って、ばたばたと例の六畳へ取って返した。両三度あちらこちら、ものに手を触れて廻ったが、台洋燈を手に取るとやがてまた台所。....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
清事変当時の皇軍が如何に道義を守ったかに関して北京の東亜新報の二月六、七、八日の両三日の紙上に「柴大人の善政、北城に残る語り草」と題し、今なお床しき物語が掲載さ....